喘息の治療の基本は内服であることは以前の記事にも書きました。
内服を基本とせずに、いきなり吸入器を購入させられたり、キュバールやフルタイドといった吸入治療をいきなり始める医者には気をつけましょう。
喘息の治療ガイドラインに沿った治療法をするのが「正解」です。
さて、その喘息治療の内服薬ですが、現在主に4つあるでしょう。
1.オノン
2.キプレス
3.シングレア
4.アイピーディー
1は昔からある薬で、効果は低く内服も1日2回と古いので、今はほとんど使われることはありません。
2と3は同じお薬で、現在喘息治療の主流でしょう。好みで僕はシングレアを使ってます。
4は去年新たにガイドラインに加わった新薬です。
僕個人の意見としては、喘息の治療にオノンを使用する先生はちょっと古いかもしれません。
と、いろいろありますが、これらのお薬に共通して言えることは
数カ月単位で継続的に使用するものである
ということです。
もう一つ加えるならば、
「喘息」と診断された患者のみに使用されるべきである
ということ。
(例外的にオノンは鼻炎にも保険適応がありますが、古いし効果はたいしたことありません)
これらは新しい・古いはありますが、作用機序はだいたい同じで、基本的には喘息の発作を予防するためのお薬です。
決して発作や咳を止める薬ではありません。これが重要です。
したがって、発作や咳がない時にも使い続ける必要があります。
で、長期間使い続けることにより、喘息の元であるアレルギーの塊を少しずつ削って減らしていくものだとイメージしておきましょう。
咳が治まっても体内にアレルギーの塊はまだあります。
薬をすぐ止めると塊がまた増殖して、喘息が再発します。
なので咳が無い状態でも内服を続け、塊を削り続けていき、最終的には治癒させるのです。
したがって、これらを風邪薬代わりに処方するのは間違っているってことです。
「咳が出る」という主訴で受診した時に、風邪薬と一緒にオノンなどを5日分とか7日分とか処方する医者がたまにいますが、それはまったく無意味な処方と言うことになります。
繰り返すように、数カ月~数年使い続けることに意義があるお薬なので、数日飲んだだけでは何の効果もないからです。
風邪薬と一緒にオノンを数日だけ出す医者には気をつけましょう。