もうこのネタも毎年書いてますが・・・
インフルエンザの流行、いよいよ本格的になってきましたね。
この季節、小児科医はほとんど頭を使いません!
「熱が出た」→「インフルの検査」
これだけです・・・
実際普段はほとんど検査をしない僕でも、この時期はこういった診療にならざるをえません。
もっともただの熱と言っても、大きな病気が隠れている可能性だってあるわけで見逃しは許されませんから、当然細心の注意をはらった診療は欠かしませんが。
さてこの時期、お子さんが熱を出すと「インフルでは??」と心配になりますね。
インフル以外にも言えることですが、熱が出ただけで夜間救急に駆け込むことは絶対にやめましょう。
熱は「救急」ではありませんから!
落ち着いて首の後ろや脇の下を冷やして、水分を充分摂らせて翌朝まで待ちましょう。
お熱シートは絶対にダメですよ!(こちらを是非参照!)
もう一つ、もしインフルが心配なら熱が出てすぐに病院に駆け込むのも控えねばなりません。
インフルエンザの検査は発熱後12時間以上経過しないと陽性反応が出にくいからです。
本当はインフルエンザなのに、
熱が出てビックリしてすぐ病院に駆け込む
↓
医者は医者で説明すればいいのに何も考えず検査する
↓
時間が経ってないので当然陰性
↓
「ただの風邪ですね」と誤診される
このパターンがお子さんにとって一番可哀相です。
また、最後に「風邪ですね」と誤診されないまでも、「まだ時間が経ってないので明日もう一回検査してください」と言われるパターンも多いでしょう。
これもお子さんにとっては可哀相です。
インフルは鼻に綿棒を突っ込む検査です。
ど~考えても痛いです。
イヤなことは1回で済ませたいですよね?
なので確実に白黒はっきりする12時間以上経過した段階で受診することをお勧めします。
まともな医者なら、熱が出てすぐ駆け込んでも「まだ検査で陽性が出ないので明日まで熱が下がらなければ検査に来て下さい」と説明して解熱剤だけ処方して帰すのが常道ですし、僕もそうしてます。
最もスタンダードな診療方法と言えましょう。
ただの風邪なら翌朝自然に熱が下がるケースが多く、インフルエンザの可能性は低くなります。
運が良ければ痛い思いをしなくて済みます。
僕にも時々言えることですが、状況考えずひたすら鼻に綿棒を突っ込む医者には気をつけましょう。
もう一つ困りものなのは保育所や学校の関係者です。
すこしでも疑わしいと「今すぐ病院に行って検査してきて!」と騒ぎたてます。
熱が出て間もない場合は検査できませんし、酷い場合熱もない子供が咳しただけでもそう言って病院に行かせる始末。
学校としては学級閉鎖になるのが一番困ることなので、何はともあれ「とりあえず行け!」とするのでしょう。
「学校の先生に検査しろと言われてきました」という患者さんの実に多い事。
ここで言わせていただきたい。
検査するかしないかを決めるのは医者の判断であり、学校の先生ではありません!
発熱後間もないのに「今すぐ検査に行ってきて」と言われたら、
「インフルエンザは12時間経過しないと検査が出来ないので今は病院には行けません」
「行くだけ医療費の無駄になります」
と、きっぱり断りましょう。
また、熱もないのに「今すぐ検査してきて」と言われたら、
「熱がないのでインフルの可能性は低いので、患者でごった返している病院には行きません」
と、これまたきっぱり答えましょう。
無知な保育士や教員にも気をつけましょう。