さて、復帰早々いきなり辛口ブログです。



以前も検査に関する僕の見解を書いたことがありました。


基本的に僕は極力検査をしません。

特に、治療に結びつかない検査は絶対にしません。


例えばアデノ分かっても治療法はありません。

ロタ分かっても治療法はありません。


ところが中には検査大好き!って先生もいます。

目の前にいる患者の病気が何なのか、徹底的に突きとめたい!そう考えておられるようです。

それはそれで大切なことだと思います。


でも・・・


1.熱で受診→診察

2.インフルエンザの検査→A型と判明

3.新型かもしれないので、新型が分かるキットで再度検査 

      →新型ではなくA香港型と判明

4.合併症の可能性もあるのでアデノの検査も→陽性

5.採血もしましょう→CRPちょい高め。アデノだから当然


診断:アデノを合併したA香港型のインフルエンザですね。

    血液データもそれを裏付けています。

治療:タミフルを処方します。アデノは治療法はありません。


これでこの患者さんの病気が徹底的に明らかになりましたね。

あ~スッキリ!?


でも・・・


この患者さんは鼻に綿棒を2回もつっこまれ、喉に1回つっこまれ、あげく採血で針も刺されてます。

「2」の段階で終了してもよかったのではないでしょうか??

僕なら確実に「2」で終えてます。


「2」で終わりにしても、「5」までやっても、結局タミフルを処方するという結論に変わりはないのです。

だとしたら「3」以降の過程は無駄というか、いたずらに子供に痛い思いをさせるだけのことです。


インフルと判明したらタミフルで治療すればそれでよく(ここではインフルにタミフルが必要かどうかの話は置いときましょう)、そのあとに追加で判明したインフルの詳しい型や、治療法のないアデノの合併の有無とか、それらを裏付ける血液検査など、それらのデータは患者サイドにとってはどうでもいいことだと思いません?

だってそれを知ったところで治療法が変わるわけでもなく、ただ検査費が余計にかかるだけなのです。

これは医者の自己満足であって、はっきりいって無駄な検査だと思います。


もっとも、小児科は牛丼屋(以前の古~い記事を参照)
なので、あれこれ検査して儲けることも時には必要なのかもしれませんが・・・


医師たるもの、患者の病気を徹底的に究明することが使命ではあります。

ですが同時に、患者の負担、つまり検査による肉体的な負担に加え、検査による医療費の負担をも、最低限にしてあげることもまた医師の使命だと僕は考えます。



以前も書きましたが、このように検査漬けにすることを決して悪いことだと僕は言いません。

ですが、治療に結びつかない余計な検査はやはりするべきでないというのが、僕の変わらぬ持論です。