放射線による症状を示す子供が増えているという趣旨のサイトを見ました。


「うちの子は震災以来、夜泣きが止まらず咳や鼻もとまりません」

「うちは血痰がでました」

「原因不明の発熱がつづき、喉の痛みが続いています」

「ガイガーカウンターを買って公園で測定したら0.26μSVもあり、恐くて公園にも連れていけません」


こういうサイトを作って国民の不安をあおる事をする輩がいますので、注意しましょう。

下手すると怪しげな宗教に入信させられたり、怪しげなグッズを買わされることになるかもしれません。

(僕が悪徳宗教法人であればそうするでしょう)

(ちなみに放射線を減らす薬や健康食品は医学的に存在しません)


確かに震災の後、夜泣きとか原因不明の風邪症状を示す子供が増えた印象がありました。

ですが、それはストレスからくるものです。

ここ数週間、咳や鼻や喉の症状を呈する子供が増えているのも事実ですが、それはこの時期特有のもので毎年のことです。冷静に思い返してみれば、去年の今頃も同じだったはずです。

つまり単に風邪が流行っているだけなのです。


もしその喉が焼ける症状が本当に放射線によるものであれば、その子の喉の粘膜は永久に再生できなくなり大量出血を起こし、感染症を起こして数日で死んでしまうでしょう。

血痰が出るほどの放射線を浴びた子も、数日で呼吸不全を起こして死んでしまうでしょう。

そうなった子がこの日本で今まで発生しているでしょうか?


放射線は見に見えないものですから、身の回りに起こる出来事を「もしかしたら放射線が原因では?」と勘ぐってしまう気持ちも分からなくはないです。


その人は、子供が気管支炎や肺炎になって病院で受けるレントゲン検査でどれくらいの放射線を浴びさせられているのか知っているのでしょうか。

中には暴れて2回・3回撮り直す子も多いです。

NICUに入院している未熟児は毎日2~4枚もレントゲンを撮られ続けます。それが数カ月も毎日続くんです。毎日です!

そんな子が、その後放射線による症状が出た、という話はこれまで聞いたことがありませんし、NICUで長年やってきた僕も見たことがありません。

他の誰よりも、より多くの放射線を子供に浴びせてきた小児科医の僕が言うのだから、これこそ信じるに値する話でしょう。


でもって、

そうやって騒ぎ立てる人に限って、平気で子供に生肉を食べさせたりするから困ったものです



なので僕からあえて言わせてもらえれば、

0.26μSVの放射線を恐れる前に、放射線の勉強をしてください!

ガイガーカウンターを買う前に、放射線の勉強をしてください!!


騒ぎ立てる人ほど、実は何の知識もない。これが風評の根源です。


ちなみに勉強しろと言いましたが、これはネットではありません。

ちゃんと図書館に行って放射線医学のを読んでください。

ネットの知識ほど、間違いと偏見に満ちたものはありませんからね。




子供の健康を気遣う気持ちは分かりますが、過剰反応はしないようにしましょう。



放射線にしろ、ポリオにしろ、はっきり言って国はあてになりませんし信用できません。

ですがそれを逆手にとって、風評を広めようとするような集団に騙されないようにしなければなりません。

正しい知識を持って、冷静にいましょう。


現在の放射線量であれば、子供の健康には全く影響を出しません。


梅雨に入り季節の変わり目。

風邪が流行ってますから、早めに小児科を受診するようにしましょうね。

ちゃんと治りますよ。


ちなみに僕の親友のお富さんは環境放射線の専門家です。

近々ブログで詳しく説明してくださるそうなので、チェックしてはどうせしょうか。

(お富さん、プレッシャーかな・・・)