以前ヒブワクチンでの死亡症例が出た際に、「同時接種」が問題視されました。
当院では、従来通り同時接種を行っております。
なぜならワクチンの同時接種は、世界中のほとんどの国で普通に問題なく行われていることであり、今回の死亡とも全く関係ないことが確実だからです。
よくママから「同時接種で大丈夫なのですか??」という質問を受けますが、僕は迷わず「大丈夫です」と即答します。
そもそも今回の事件、「同時接種」そのものは当初問題視されてませんでした。
ところがマスコミが、「ヒブと肺炎球菌を同時接種した子が死亡した」などと、さも同時接種が悪いような報道のしかたをしたものだから、皆さん混乱してしまったわけです。
厚労省も酷い。
「因果関係がないことが分かりましたから接種して大丈夫です」
この解答だけで安心して接種できる人がいるだろうか。
「これこれこういう理由でワクチンが安全であることが立証されたので、安心して接種してください」
といった趣旨の説明をしっかりしてくれないと、結局現場の我々小児科医が皆さんを安心させて説得する役回りをやらされるハメになる。
あげく、「同時接種は危険」などという根拠のない風評がネットを中心に広まって、ただでさえ世界的に遅れている日本のワクチン事業がちっとも進まないじゃないですか。
極めつけは、先日こんなことが。
当院かかりつけの方が、当院での予防接種がいっぱいだったので仕方なく他の小児科に予防接種をしに行った時、そこの小児科医から「同時接種なんてこんな危険なマネをしているのか」と言われたとのこと。
ワクチンの安全性を説明し理解していただくために、「正しい知識」を根拠に患者教育を行うべき小児科医が、風評に惑わせられている。
その小児科医は、同時接種よりも個別接種の方が副作用の確率が上がるという医学的事実を知らないのでしょうか。
そのような、正しい知識を持たずに風評に流され、あげく患者さまに不安を与えるようなマネをする小児科医は、大変失礼だがご退場願いたいものです。
ワクチン接種率が低いことを世界中からバッシングされている日本。
ワクチン後進国から早く脱却したいものですね。
「同時接種は危険」などと知ったかぶりをしている育児ブログなどの風評に惑わされないようにしましょう。
またまた今日はちょっとお怒りの院長でした。
皆さん、
同時接種は問題ありません!!
むしろ同時接種をした方がリスクが下がるという事を、よく覚えておいてくださいね。