日本がそう言われるようになって久しいですし、「日本がワクチン後進国である」という認識は国民の皆さんの間にも浸透しつつあります。
その代表的なものが「不活化ポリオワクチン」です。
「不活化ポリオ」に関しては、最近多く報道されてくれたお陰で、認知度は広がりつつあります。
ここで、日本の「後進国」ぶりを示す、もう一つのワクチンを紹介しましょう。
「B型肝炎ワクチン」
当然ながら欧米諸国をはじめ、世界の多くの国で当たり前のように接種されているワクチンです。
日本では、B型肝炎は「母子感染しかしない」という誤った認識のもと、B型肝炎キャリアのママから生まれた赤ちゃんにしかワクチンンは使っていませんでした。
B型肝炎キャリアの人は意外に多く、僕も新生児科時代にはたくさんの赤ちゃんにワクチンを打ったものです。
でもワクチンを打つのはこういった限られた子供だけで、あとは親が自分で調べてワクチンの存在を知り、必要と考えて接種を希望しない限り誰も接種を勧める人はいませんでした。
(いたらごめんなさい・・・)
もちろん国の定期予防接種には組み込まれていませんから自費です。
でもちゃんと知識をお持ちのママは接種に来られます。
(当院でも扱ってます)
ところが先日ニュースで、
「性行為感染によるB型肝炎が増えている」
との報道。
性行為でB型肝炎に感染するのは医学書を読めば書いてありますし、我々医師はみんな知っています。
一般常識です。
「性病である」と断言する先生もおられます。
でも国は「母子感染がメインである」との認識のもと、一般の子供への接種を推奨してきませんでした。
本当に後進国丸出しですな。
こういった報道が増えてくれると嬉しいです。
僕なんかがここでいくら叫んでも世間は振り向いてくれませんから、報道関係の方々はもっとこのニュースを取り上げて欲しいものです。
B型肝炎は、感染すると慢性化し、最悪は肝硬変や肝癌を引き起こす、恐い感染症です。
そして重要なことは、
ワクチンで防げるんです。
「B型肝炎ワクチン」
覚えておきましょう。
当院でも「B型肝炎ワクチン」は扱っております。
接種方法は、4週間おきに2回、6ヶ月後に1回の計3回です。
生後1カ月から可能です。