武漢市の教訓を得られる有利な日本ですが… | Tempo rubato

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アニメーター・演出家 平松禎史のブログ


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 今年前半には現在進行中の作品が発表できると思います。

 

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  新型肺炎は、日本での感染拡大を覚悟しなくてはいけない局面になりました。

 

  2月16日現在、日本の感染者数は43人になっています。つい数日前まで28人だった。

  Coronavirus COVID-19 Global Cases by Johns Hopkins CSSE

 https://gisanddata.maps.arcgis.com/apps/opsdashboard/index.html#/bda7594740fd40299423467b48e9ecf6

 

  報道では15日に12人の感染が確認されています。クルーズ船から下船した人も入っていると思われます。

新型ウイルス 国内で新たに日本人12人の感染確認(15日)

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200215/k10012287291000.html

  国内での「どこで感染したかわからない感染者」が出ているため、拡大が予想できます。

 

  武漢市封鎖前に感染した人が潜伏期間を超えて発症している。危惧していた事態が起きてしまいました。

 

 

  この先、どうすれば武漢市または中国国内のような感染拡大を防ぐことができるだろう。

 

  武漢市での感染拡大を考えてみましょう。

  12月8日に最初の感染者が確認されました。当時は新型コロナウイルスが発見されていなかったため、後追いでの確認です。つまり新型コロナウイルス初の感染者が認められた時には感染拡大がはじまっていたわけです。

 

  未発見のウイルスのため、通常の風邪かインフルエンザとして対処され、その間に「ヒト〜ヒト感染」が拡大していった背景がある。中国政府の擁護するわけではないが、未発見のウイルスですから初期の対処が遅れたのは仕方がない面がある。

 

 1月23日に武漢市封鎖をおこなった時には、すでに他の都市や他の国に移動した人から感染し潜伏期間だったのだ。その日から2週間で、感染者は640人から30,600人に拡大した。

 さらに10日後の現在、69,256人になっている。

 

  人が移動して感染を拡大させるのです。当たり前の話ですが、封鎖・移動制限が遅れたため中国全土に、世界中に拡大した。

 

  人の自由移動が感染を拡大させた。これが武漢市での感染拡大から得られる教訓です。

 

 

  さて、日本で今後必要な措置は何か?

 

  極端な最重策を考えてみる

 

  ・全国民の強制検査

  ・感染疑いを含めて症状のある人全員を隔離

  ・最短で20日間の外出禁止

  ・最大級かつ長期の政府支出拡大

 

  といったところでしょうか。

  人の自由移動の禁止は経済活動の停止です。その上で国民生活を保護するために財政拡大をおこなう。緊急事態ですから財政法第4条にも叶うでしょう。

  論理的には、これで現在の感染者の快復を待てば感染拡大は防げそうに思えます。

 

  しかし、現実には全国民の強制検査は不可能ですし、疑いのある人全員を収容する病院はありません。ここまで極端な移動制限をしてしまえば、新型肺炎以外の弊害によって多大な被害が出てしまいます。

  しかし、平時のように「許容されやすい対処だけをやる」のでは感染拡大は防げず、結果的に経済活動の停止に至ります。

  非常事態ですから「最も極端な方法からどうしてもやらざるを得ないことを許容する」考え方へ転換する必要があるでしょう。

  非常に難しい決断が迫られますが、それをやるのが政府の役目です。

 

 

  すでに遅いとも言える。しかし日本は、武漢市の教訓を得られる有利な状況にある。最悪を想定し、実効的な感染拡大対策をとればまだ防げる望みはあるだろう。

 

  できるだろうか??

 

  できないと思います。

 

  否、やらないでしょう。

 

  ほぼ100%やらないでしょう。

 

 

  なぜそこまで言えるのか?

 

  7年前までの3年3ヵ月、民主党政権というものがありました。あの時の政策路線は、緊縮財政・改革規制緩和・グローバル化でした。この路線は小泉政権から本格的につづいていますから10数年前からです。  

  その結果、デフレ不況が固定化し、国民貧困化・格差拡大化・少子化がつづいた。すでに政策の弊害は結果を出していたのです。「10数年間の失敗」「民主党政権の悪夢」という教訓を得られる状況で、安倍政権が発足し7年が経ちました。

  さて、政策転換できただろうか。できていませんね。正確にはやらないままなのです。

  10数年間の教訓を得られる有利な状況にあるにもかかわらず、現実を無視し、政策の間違いを認めず、失政をつづけ、人災を拡大しているのが安倍政権だ。

 

  実効的な感染拡大対策などやらないと断言せざるを得ないじゃないですか。

 

  新型肺炎に限っては、現実を受け止め、間違いを認め、適切な対応をとれるはずだ、なんて言えますか?  ボクには無理だ。

 

  安倍政権の実際の行動からすれば、「新型肺炎の感染拡大は認められない」と閣議決定して現実から目をそらすほうがずっと可能性が高いでしょう。

  悪化していく状況に場当たりで逐次対処していくのがせいぜいだ。すでにそうなっている。

 

  安倍政権だけが悪いのではありません。20数年におよぶデフレ状況から何も学んでいない政治家や経済界、知識人やマスメディア、スキャンダリズムに目を奪われて真剣に生活の心配をしてこなかった国民が悪いのだ。ボクもそこに含まれていた。だから毎日のように経済問題を書くのです。

 

 

 

  できなかったことをできるようにするには、考え方の転換が必要だ。

 

  アメリカは、クルーズ船のアメリカ人を船内にとどめたほうが良いとの判断を、帰国させる判断へと転換させた。当初の判断が甘かったとしても、現実を受け止めて転換したのは全く正しい。イスラエルも下船を要請。カナダ政府は自国民を帰国させるためチャーター機を出した。

  各国が、日本政府の姿勢に不信感をつのらせている。

  国内感染はどこまで拡大するかわかりませんが、このままでは外国からオリンピック中止を求められる最悪状態になると予想せざるを得ない。

 

  政策転換ができない安倍政権には、経済衰退も、自然災害も、新型肺炎も、対処不可能です。

 

  そうは言っても、転換させない限り、あらゆる被害から国民を守れません。

  政治家を批判してばかりではダメなのです。

  自分の身を守るには、まず自分が考え方を転換し、政治家に政策転換させるしかありません。

 

  もし万が一、最重の感染拡大対策がおこなわれる時、国民は、短期的な不便や不快や不利益を受け入れる覚悟をせばならない。

 

  それができれば、日本が良い方向に転換するキッカケになる…かもしれません。

 

 

 

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