東京都がとうとう内需(国民)をあきらめた。政府の方針に沿っているだけですけどね。 | Tempo rubato

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アニメーター・演出家 平松禎史のブログ


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山本寛監督作品『薄暮』 6月21日より上映。

ボクは「朧月夜」を弾く場面を担当しました。

https://www.hakubo-movie.jp/

 

 

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2019年度「消費増税に関するアンケート」調査

http://www.tsr-net.co.jp/news/analysis/20190709_01.html

《今年10月に予定される消費増税は、企業の51.4%が「予定通り実施すべき」と回答した。
 これは2018年9月の前回調査(47.0%)から4.4ポイントアップした。また、「増税を中止すべき」は前回(28.2%)から4.2ポイントダウンの24.0%で、時間の経過とともに消費増税への抵抗が薄れているようだ。
 だが、消費増税で「景気が悪くなる」と回答した企業は65.0%と半数を超え、先行きを不安視する声は多い。》

 

 大企業は国民所得が削られて消費が減っても輸出(外需)で補うことができます。従業員を多く抱える大企業ほど、賃金は安いほうが良く、移民拡大してくれる現政権が都合が良い。

 調査の内訳で、中小企業ほど不安が高いのは内需中心だからでしょう。それでも全体的にあきらめムードなのは、「財政破綻論」のウソが定着してしまい、消費増税以外に財政を安定させる方法はないと思いこんでいるからでしょう。

 また、消費増税に向けて準備してしまったから今更中止してほしくないという本末転倒も含まれる。

 

 経済統計のほとんどが景気悪化を示し、日銀や内閣府、信用調査会社がおこなう景気動向調査も、すべて悪化で、先行き不安が高まっている。それでもなお、消費増税に反対する声は一般層でも半分程度しかない。

 

 安倍政権は支持したくないが、安倍首相以外は頼りなさそうだし、それ以外の党に政権交代したらもっと悪くなるに違いない。だったら、しんどいけどこのままのほうが良い。下手に動きたくない。消費増税もやむを得ない。にわか雨みたくやり過ごせばどうにかなるさ・・・

 

 

・・・ていう心理状態なんでしょうか。

 

 今年に入って、これまで国内で財政拡大への転換を主張してきた言論人に理論的根拠を与える助け舟、現代貨幣理論〈MMT〉が到来した。財務省も財務省に従う安倍首相も麻生財相も、論理的に反論できず打ち消すのみ。

 

 日本は財政破綻しない。

 政府の黒字化は国民の赤字化。

 (政府の)借入によって(国民の)預金が創造される。

 …従って、年金、社会保障、子育て教育、技術開発、防災減災は、税収による財源を心配する必要なく、国債発行…政府の支出拡大でおこなえば充実できるのだ。

 

 しかし、これまで考えもしてこなかったことを、改めて考える余裕がない。

 

 このまま粛々と消費増税が決まり、国民貧困化・格差拡大が進むのでしょう。

 

 

 その状態でアニメ業界は保てるか? 無理でしょう。

 

 東京都は、アニメーション 海外進出ステップアッププログラムなるものをはじめた。

https://anime-tokyo.com/program/

 海外アニメーショ市場で求められる商品を作るためスキルアップしましょう! だそうだ。

 

 要するに、デフレで内需が衰退していくのは止められないので日本向けは捨てましょう。

 広大な海外の需要に向けて改革しましょう、ということですかね。

 

 日本動画協会の資料では、2年前の段階で外需が内需に追いつこうとしています。もう追い抜かれているのでしょう。

 消費増税でアニメソフトやグッズなどが10%になれば、確実に売上が落ちます。

 こんな状況なのに、アニメ業界として消費増税に反対しないのは(他の業界もそうだが)狂っていると思う。

 

 東京都が都内のアニメ会社を支援したいなら、財政支援せよと言いたい。

 スタッフを増やしたいがスタジオの拡張ができず、賃貸分室を複数持たざるを得ずコストがかかってしまう。都が立地の良い物件を取得しやすいよう優遇措置をおこなえば、多くのアニメ会社が楽になる。権利収益を得るためのスキルアッププログラムをおこなうなど、やれることはあるだろう。

 でもね、政府が外需依存だから自治体もこうなるんです。諸悪の根源は国政ですよ。

 

 日本製アニメ作品に出資する企業は、すでに関連企業がほとんど占めています。そこに巨大な資本力を持った海外企業が参入してくれば、日本国民向けの内容は却下されるでしょう。

 日本漫画のアニメ化や、海外向けリメイクが増えるんでしょう。2Dアニメは作られなくなり、アメリカ流の3Dアニメーションに置き換わる。登場人物や舞台、内容も海外向けに改変されるようになるでしょう。『GODZILLA』のように。

 こうして「日本のアニメ」は消えていくのです。実際には伝統芸能のように(と言ったら失礼ですが)ほそぼそと保存されていくだけになるんでしょう。

 

 悲観論ですか? いいえ、現実論です。その多くが当たってきましたからね。

 

 別にボクがあてたわけじゃないですよ。本当に賢い人達の声や、過去からの声と会話した結果です。

 

 今回の選挙に対しては、これで流れが変わるとは思っていません。正直何も期待していない。

 ただ、抵抗した正気の言論人がいたこと。正気に目覚めた政治家が出てきていること。ピボットできている方々と幸いにも直接お話を聞く機会に恵まれたこと。自分なりに調査して現実を指摘したこと、抵抗を試みてきたこと、などを記録しておきたい。

 あきらめてはいませんよ。

 

 

 

 

 

 

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