10月13日より、フジテレビのノイタミナで『舟を編む』が始まりました。
原作 三浦しをん。監督 黒柳トシマサ、キャラクターデザイン 青山浩行。
辞書を作る人々の物語です。
ボクは一本絵コンテを担当しています。
お話があったのはけっこう前ですが、不思議なご縁のある作品でした。
数年前から日本の歴史を改めて勉強したいと思い、日本語や古事記に関する本を調べていました。
江戸中期ころから明治に至る国学の中で、古事記は国家的な文脈としてピックアップされ、明治維新の原動力になったと思われます。
一方で、岡田英弘氏の著作では古事記は「偽書」であるという見方も示されていた。
これはいったいどういうことだろう?と思ってたところで出会ったのが三浦佑之教授が書かれた古事記に関する一連の著作。
これを読んでボクの中で腑に落ちるところが多々ありまして、視野が広がる感じがありました。
そんなことをこのブログで書いていたら、三浦先生ご本人からコメントを頂いたりして驚きでした。
さらに驚きだったのが、『舟を編む』の原作者、三浦しをんさんが三浦佑之教授のお嬢様だったことでした。
世代を超えてことばが引き継がれていくこと
日本語は、発音することばと文字で書くことばに埋めることのできない溝があります。
書きことばは中国文化からの借り物だからです。
それゆえに、日本人が扱うことばは多岐にわたり複雑化し常に変化しています。
いま手元にある大辞林には23万項目を超えることばが収められています。
古語辞典や新語辞典など加えればもっと多くのことばがある。
過去から引き継がれ、忘れられたことばのひとつひとつにも物語がある。
『舟を編む』は小さな編集部の極少人数の奮闘を描いた物語ですが、そこから広がる世界は海のように広く大きなものだと、絵コンテを描きながら思いました。