気がつくともう9月…
季節は初秋を迎え、昨今は朝晩も少々肌寒くなってきた…
そんな山登りに最適な季節、天気が良い日は山へ行こうっ
ということで…
〜鉾岳〜
鉾岳は、その名前の通りそそり立つような岩峰の山で、雄鉾・雌鉾と呼ばれている2つの花崗岩の岩峰を有する。特に雌鉾スラブは、比叡山と並んで多くのクライマーを魅了する山でもある。
雄鉾・雌鉾ともに突端は絶壁で注意が必要だが、展望は素晴らしい。
昨年にこの近くにある矢筈岳に登った時のこと…。山頂で出会った登山客の方からこの鉾岳のことを教えてもらい、面白そうだったのでいつか登ってみたいと思っていた山だ。
とはいえ、標高もさほど高くなく、また登山口までが遠過ぎるということで躊躇していたのだが、連休なら大丈夫だろうと今回決断した次第である。
この鉾岳は宮崎県延岡市の山奥にある鹿川渓谷に君臨する尖った山で、比叡山登山口よりももっと奥地にある。
Googleさんに聞いてみたら熊本市内から2時間半くらい。ということは約3時間はかかるということだな(汗)
前日は早めに就寝し、朝の4時に起床して荷物を持って出発する。
熊本から比叡山までの移動は以前のブログを参照いただくとして、そこから先へ話を進める。
比叡山から先も車が離合できないほどの狭い道をひたすら進む。ナビでは県道214号に入ってから18km弱…とにかく長い細道である。
ゆっくりと進み続けると、やっとのことで鹿川キャンプ場に到着した。
けっこう人が多いな…まだまだ夏を楽しむ人たちがたくさんキャンプしている。
手前にある駐車場に車を停めて準備を開始。そして整ったら…
鉾岳に向けてしゅっぱ〜つ!!
久しぶりの日帰り登山となる今回は、鉾岳の2峰…雄鉾と雌鉾に登り、その後に鉾岳の奥にある鬼の目山に登って、時間が許せば国見山にも行ってみようという盛り沢山ルートだ。
さて、まずは大盛況なキャンプ場の脇から伸びる登山ルートのコンクリ道をゆったりと登っていく。
朝日を背にした鉾岳がすでに姿を現した。
…尖ってる…尖り具合がハンパない…(汗)
コンクリ道をしばらく進み、いよいよ登山道へと進入する。
まずは害獣ネット沿いに緩やかな道を登っていく。
初秋とはいえ、まだまだ新緑の木々に囲まれた気持ちのいい登山道だ。
尾根に出た。ここからは沢沿いの尾根登り。少しずつ登りが急になってきたが、まだ大丈夫な勾配である。
この登山道はとても歩きやすい。踏み跡もしっかりしているし、目印テープも分かりやすいので安心して登っていける。
…急な勾配を除いては…だけど(汗)
大きな岩があったのでここにて小休止、朝ごはんとしよう。
久しぶりの山登り、やっぱり自然の中にいると心が和むねぇ(癒)
さて尾根道はだんだんと痩せ尾根になってくる。が、まだまだ歩きやすい道だ。
大きな岩場は回り込みの優しい登山道である。
そんな登山道もだんだんと傾斜が鋭くなってきた。鉾岳の懐に入ったかな?
しかしまだまだ許容範囲だ。
急登を登りきって少し進むと…
なんじゃコリャ〜っ
とびっくりなデッカい岩がお目見えする。
雌鉾スラブってやつだ。それにしてもでっけ〜なぁ…(驚)
登山道はその岩に沿って進んでいく。
開けた沢にでた。
お〜っ 滝だ〜(嬉)
美しい眺めだねぇ
雌鉾スラブの全貌も見える…気持ち悪いくらいデカい岩だな…(汗)
さすが大崩山系の山…岩の大きさが常識を遥かに超えている気がする…。
さて先に進もう。
沢を渡ってさらに進む。
少し登ったところから沢沿いに進む。
ここからは急な斜面となっているのでゆっくり安全に進むことにしよう。
危険が危ない箇所が多数存在する。滑りでもしたら沢に真っ逆さま…というところも…(怖)
まだ命は惜しいのでロープをしっかり掴んでゆっくりゆっくり…。
油断大敵滑落注意…。
急な登りはまだまだ続く。しかしまだまだ気合で何とかなる範疇だっ
登る時はロープにあまり頼らずに岩や木の根っこを使って登っていく。
でもハシゴは有難く使わせていただこう…。
岩場登りは続く…岩場は続くよどこまでも…。
危険度はそれほど高くないとはいえ、こんなに続くとやっぱり疲れるな…(汗)
そんな道すがら、鉾岳の姿を一望できる場所あり。
カッコイイねぇ(惚)大崩山の小積ダキみたい。
沢の河原に出た。一枚岩を流れる水が美しく、とてもステキな場所である。
そんな美しい場所で足を休めて心を洗濯…別に汚れているわけではないのだけども…。
さて、ここから鉾岳の後側に回り込んで進む登山道なのだが、ここから鉾岳展望所なるものに誘う看板を発見。せっかくなので登ってみよう。
急な登りをえっちらおっちら上がっていくこと5分ほどでピークに到着。
ここから鉾岳の全貌を眺めれる…はずなのだが、現在は木々が遮って何とか見えるって感じ…(残)
ということで特に感動することもなく河原に戻ることにした。ここは登らなくてもよかったな…。
さて先に進もう。河原を少し登って登山道に入る。
ここからは今までと打って変わって緩やかな道である。
そんな道をゆるゆると登っていくと林道(作業道?)に出合う。
この林道を左に進めば鉾岳、右に進めば鬼の目山・国見山である。
とりあえず、まずは鉾岳に向かう。
林道をスタスタと進み続けると鉾岳への分岐が現れる。ここから鉾岳への登山道を下り進む。
すぐに沢が現れて渡渉、まずは雌鉾へっ
なんか分かりづらい道だな…方向的には沢を下っていくはずだけど…
でも尾根に続く道もある…。
どっちだ?(汗)
まぁ…雄も雌も行く予定だし、とりあえず尾根の方の道を進んでみよう。
あ…?
やっぱり尾根の道は雄鉾に向かっていた…(汗)
まぁいいや、先に雄鉾に登ってみよう。
緩やかな登りを進んでいくと…
鉾岳山頂(雄鉾)に到着〜っ
あまり景色は良くないな…
下に見える雌鉾の方が断然楽しそうだ…。
ん?
でも山頂から西側の先の方に進めばなんか良い景色が見えそうだ。
お〜
けっこう良い眺めじゃないか〜(喜)
釣鐘山の奥に見える九州山地の山々の連なりが美しいね。
この山系の特徴である険峻な岩肌も一望できてとても素晴らしい景色である。
では雌鉾に進むことにしよう。
一旦さっきの沢まで戻る。
この沢沿いに進んでいく。下っていくような感じかな。
水がメチャクチャ澄んでてキレイだっ(冷)
ふたつめのハシゴを降りたら岩に沿って進む。分かりづらいところで迷ったら、雌鉾と雄鉾の間に向かう感じで…。
そして雌鉾の取り付きに…ハシゴとロープでズンズン登っていく。
そりゃもう、山頂がすぐそこなので疲れも忘れて子供のようにホイホイと登り進む(嬉)
そして最後のハシゴ&ロープを越えると…
雌鉾の岩上に到着〜っ
お〜
Webサイトの写真で見たところだ〜
楽しそうな岩場だねぇ(嬉)
とはいえ、安全策などまったくの皆無な危険な場所なので気をつけてハシャごう。
でっかい岩の上にいるので、一体どこら辺りにいるのか分かりづらいと思ったので一応場所を示しておく…。
先っちょにある岩はちょっとずれてる感じで、何枚かの岩がなんとか引っ掛かっているように見えるため、遠くから見ると恐ろしい限りなのだが、実際に上に立ってみるとそんなことはまったく忘れてしまってる無邪気な私はそこらじゅうを走り回っていた…(笑)
ここからは360度のパノラマを楽しめるのだが、あいにく標高が周りの山よりも高くないため眺望はそれほどでもない。
しかし岩山ということを嫌でも感じれるここはプチ大崩山って感じで、切り立った岩場のスリルや自然の雄大さを堪能できる。
まぁ…景色は雄鉾、スリルは雌鉾…ってとこかな。
さて岩の山頂をしこたま楽しんだら次に進むことにする。
ここからも見える、東に聳える鬼の目山に向かうのだ。
まずは林道まで戻り、鹿川キャンプ場への分岐までさらに戻る。
そこから鬼の目山・国見山方向へ進む。
…まぁ…そのまま林道を進むだけなんだけどもね…。
林道を進んでいると沢に下る方向へ道標が…(疑)
なんか地図とは違うけど…まぁ、ロープなんかも施してあるので、こっちに行くべきなんだろう…。
と、沢に降りてみるとすぐに登ってまた林道に出た。
なんだっ ショートカットかいっ
…と、しかし辺りをよく見てみると林道が崩壊しているための脇道だった。
そういうことね…(解)
いよいよ鬼の目山への登山道に入るのだが、目印テープは右手の尾根に登るように誘導しているみたいだ。
しかし地図上の破線道は沢沿いに伸びている。
波線道の方が近いし所要時間も少なかろうと、人生も登山道も楽な方を選ぶ私は破線道を進むことにした。
目印テープはないが、沢沿いに進めば大丈夫なはずだ。
水もほとんど流れてないので沢を直接歩いて登っていく。
登山道としては使われていないので足場が悪く、浮石などもあるので気をつけて進もう。
道標も何もない状況で本当にちゃんと辿り着くことができるのか…
そんな不安の募る道中、スズランテープを発見っ
この道標をまったく信用しすぎるのも危険だが、とりあえず誰かが通った証拠である。
ちょっと安心(ホ)
少しずつ険しくなってくるが、ゆっくりと注意して進めば大丈夫だ。
そんな中、ケルンが現れたっ
おぉ
これは間違いなく登山道だぞ(確)
とはいえ、沢登りはとても危険である。焦らずゆっくりと…。
道ではないので進路を事前にしっかりと見極めて進んでいく。
こんな感じ…(右写真)↗︎
そして沢登りが終わると、スズランテープと波線道は無情にも右手の急登の尾根に続いている。
…この急登を進むのね…(汗)
挫けそうになったのでとりあえず休憩して心の準備をしよう…。
心の準備ができたら…
いざっ 急登へっ(頑)
杉林の中の見た目も実際にも言葉通りな急登をひたすら登る。
そんなバカみたいな急登ではないのだが…やっぱりキツいな…(汗)
杉林を抜けると空が開ける…が、急登は続く…。
道の踏み跡は弱いが、スズランテープを頼りに登り続ける。
少しだけ緩やかになってきたのだが、気持ち的にはこれまでの疲労蓄積で差し引きゼロってとこだな…(弱)
山頂近くになると、道もなにもあったもんじゃない…。
ただただ、スズランテープを目掛けて彷徨ってるみたいだ…(疲)
でももう少しっ
がんばれがんばれ…
最後の最後でこれでもかっ…と言わんばかりの急登…(労)
そんな中の木の根っこの自然階段はありがたい。
しかしなかなか辿り着けない山頂…
すぐそこに見えてるのに一向に近づかないぞ…(泣)
もう少し…もう少し…
がんばれ…がんばれ…
そんな呪文を唱えながらゆっくり進んでると…やっぱり終わらない登りはないもので…
山頂に到着〜っ
いやぁ〜キツかったぞ〜(疲)
鬼の目山山頂は思いのほか景色が良さそうだ(期)
しかしまずは腹ごしらえしようっ(空)
ちょっと先に進んだところに景色の良さそうな場所があったので、ここで大休止とするっ
本日のメニューは…
カップ麺におにぎり、デザートはプリンとコーヒー♪
でゎいただきまぁすぅ
さて、デザートも美味しくいただきまして、コーヒー片手に改めて景色を堪能しよう。
まずここから見える南には尾鈴山と宮崎の山々、東側には可愛岳と延岡の街が広がる。
海も見えて天気が良ければとても良い景色だろうね。
少し歩き回る事になるが、西側には五ケ瀬方向からの九州山地、眼下にはさっきまでいた鉾岳と、その奥に祖母山も見ることができる。
北側は木々が遮っていて見えにくいが、大崩山がすぐそこに見える。
お?小積ダキも見えちゃってるね(嬉)
鬼の目山はこの界隈では高い山なので、けっこう良い景色が楽しめるいい山だ。
キツかったけど登って良かったなぁ(感)
さて、山頂を楽しんだらそろそろ下山しよう。
計画ではここから国見山に行く予定だったが、体力と時間と相談して今回は断念することにした。
天候も怪しくなってきたしね…(曇)
復路は登ってきたルートを戻ることにする。
まずは死ぬほど苦労した急登の下り。下りは登りよりもカラダに負担がかかるのでゆっくり注意して下っていこう。
この沢登りのコース、登る時は分かりづらい道だったのだが、下る方から見るととても分かりやすい道である。
なんか不思議な感じだが、下りは迷いやすいという観点から言えば分からなくもない…そして私的にとても助かる…(安)
そんな道を下ること…とりわけ急いだワケでもないのだが…15分ほどで沢まで下りてきた。
ここからの沢下りも注意して進もう。足場が悪いのでゆっくりと…。
と、そんな沢下りもやればできるもので15分ほどで林道に到着。結局登りの半分ほどの時間で戻ってこれた。
ショートカットの沢渡りで再び林道に戻り、しばらく進んで鹿川キャンプ場への登山道を下っていく。
沢の河原まで戻ったら一旦休憩…。
さてここからはまた険しい下り道だ。気をつけて進もう。
油断大敵滑落注意っ
予想通り、道は進むほどにだんだんと険しくなってくる。
うぉっ 危ねっ(焦)
こんなトコ通ってきたか?
…いや…通ってきたんだろうね…(汗)
そんな痴呆にでもなったかと心配しながらもゆっくり安全に進み続けると、やっとのことで沢に到着。
けっこうキツい下りだった…無事で何より…(安)
とりあえずここでも休憩…。
ここから見える雌鉾スラブとその奥に流れる滝を眺めながらあらためて思う…。
自然ってスゲぇなぁ…(感)
さてここからは比較的穏やかな道となる。ただ気を抜くと危険なので注意してゆっくり下っていこう。
道がなだらかになってくればこっちのものだ。歌でも歌いながらゆったりと下っていこう(楽)
そしてコンクリ道に戻ってキャンプ場へ下っていく…途中に振り返ると雄大な鉾岳が見送ってくれている…
カッコいいねぇ〜(惚) 今回はパックン岩を見損ねたので、次は見にくるよ〜w
そして駐車場に着いたら…
今回の山旅はこれにて終了〜っ
お疲れさまでした〜♪
今回登った鉾岳は大崩山系の岩山で、麓にはキャンプ場もあり、夏の遊び場としては最高な自然公園だ。
山は頂上からの景色も素晴らしく、雌鉾の岩上では迫力ある岩場を楽しめる。
また、足を延ばせば鬼の目山にも1時間ほどで行ける。山頂からは海も見える美しい景色を楽しめるのでコチラもオススメだ。
登山道は危険な箇所も多いので充分注意が必要だが、道は比較的良い状態なのでゆっくり登れば初心者でも大丈夫だろう。
手軽に自然の造形美を実感でき、登り甲斐もあってとても楽しい山なので是非登っていただきたい。
ただ、登山口の鹿川キャンプ場までの移動は安全運転で…。
〜今回のルート(クリックで拡大)〜
<今回の動植物たち>
〜Epilogue〜
図上での計算では、鉾岳〜鬼の目山〜国見山の縦走が可能だと思っていたが、思ってたより険しい道であったことと加えて体力消耗が甚だしく、泣く泣く国見山は断念した。
しかし国見山を強行していたら多分途中で干上がっていたことだろう。
その時の体調や時間で計画変更は大事である。
そんなトコで自分を慰めてはいるが…なんか体力の衰えを感じてしまった…そんな弱気な事を思いながらも、これからまた狭い道を帰らなければならない。
集中して安全運転で…ということでこれにて失礼する…。
おわり