平日に休みをもらうと、どうしても…
山に行かなければっ
…と、変な使命感に駆り立てられてしまう…
その明日の天気は、どうも九州は北部側が晴れ間が多いようで…
当初は「石割岳」という福岡の山にしようとしたが、今年のような猛烈な暑さの中では1000m以下の山に夏行くのは自殺行為だ…。
ということで、今回は九重連山の北側に位置する「黒岳」に登ることにした。
~黒岳~
九重山系の北東部にあり、大船山の北東側に位置する。前岳、天狗岩、高塚山などの峰からなる鐘状の火山で、最高地点は高塚山にある。南側の竹田市などから見ると、仰向けになったおたふくの面のように見えることから、おたふく山とも呼ばれる。
草原が多い九重山系の山々にあって、広葉樹の原生林が広がる山であり、樹木が茂った山の様子が黒く見えることから黒岳の名がある。また遠くから見ると広葉樹林が四季折々に黒色または紫色に見えることから別名「黒山」ともいわれている。
この黒岳、以前に登った大船山のお向かいさんにある山で、その時にその山容を見て「壁みたいな斜面だな…」と驚愕した…その山だ。
その時の印象があまりに強烈過ぎたため、風穴方向からのアタックは「到底ムリ」という先入観があって、他に登れるルートはないかといろいろと調べてみると…
北側の「白水鉱泉」から登れそうだ。こちら側からなら少しは緩やかかもしれないと安易な考えで早速登山口探し…。
どうも「黒嶽荘」という山荘から登れるらしいということで、そこまでの道路状況を調べると大船山登山で使った男池のもう少し先まで行ったところにあるらしい。
登山のルートはこの黒嶽荘をスタートとし、登山道を登って「前岳」から「高塚山」へ進み、そこから東側にある「天狗岩」に登って風穴に下って、そこから黒岳の麓を回るように黒嶽荘に帰ってくる…という縦走周回コースを計画した。
熊本の自宅から2時間ほどということで、5時に出発して黒嶽荘を目指す。
やまなみハイウェイを使って牧ノ戸峠と長者原を通過して県道621号に入り男池まで進む。
男池から先は道が細くなるので注意して進み、大きな看板で「黒嶽荘」と出ているところでその方向の右に入る。
白水鉱泉の販売所を過ぎると道が極端に悪くなるが、普通車でも通れる程度なので安心して進もう。
300mほど進むと道がコンクリ道に変わってとても狭くなる。ちなみにこの手前の右側に駐車できるスペースがある。
急な坂道を登り続けると「黒嶽荘」の入口に辿り着く。その手前の右側が登山者用の駐車場らしいので停めようと入ってみたら…
虫がすっごいっ(汗)
あまりのすごさにドアさえ開けれず…さっきの駐車スペースまで戻って停めさせていただいた。
今回はここをスタートとする。ちょっと歩く距離は伸びるけど、あの虫の中で準備とか…ムリ…(汗)
ということで準備を済ませて一服済ませて…
いざっ!黒岳へっ!!
まずは先ほど車で登ってみた黒嶽荘までコンクリ道を進む。森に囲まれて雰囲気のいい道だ。
黒嶽荘を横切って登山道に向かおうとした時…犬がいきなり吠え出したっ(焦)
びっくりするじゃないか…(汗)
左手に「雨堤」という表示と細い道が見える。最後はこの道に帰ってくる予定である。
さて登山口にはゲートまであって、なかなかいい感じだ。
ゲートをくぐるとしばらく荒れたコンクリ道を登っていく。あまり使われていない感じだが、大丈夫かな…(汗)
登山道入口という表示の先から不安になってくる…。道が見えないのだ。
なんとか「前岳」看板と目印のテープを頼りに進んでいく。ただ目印が古いために頻繁に見失ってしまうので気をつけよう。
勾配は急で岩場も多い。汗が一気に吹き出してくる。なかなか登り始めからけっこう険しいぞ…(汗)
さらに岩場の石には苔が生えていて滑りやすくなっているので、これにも注意して登らなければならない。
やっとのことで「白水分れ」に到着。ここまでけっこう登ってきた気でいたが、地図ではまだまだちょっとしか進んでいない。
ここからも急勾配は続く。しかし白水分れからは岩場じゃないだけでもマシか…。
つづら折りで登っているのだが、それでも急勾配だ。山を登っている感がハンパない…(汗)
…まぁ…ある意味、かなり充実している山登りだけどね…。
だんだんとジャングル感も出てきて否が応でも原生林を満喫できる。
登りが急なために標高をかなり稼いでいるらしく、もう1000mを超えてしまった。ここまでくると幾分涼しくなってくる。標高的には山の選択は間違っていなかったようだ。
さらに登りは続く…。
登り始めから1時間を過ぎたあたりでたまらず休憩っ(汗)
涼しいとはいえ、汗のかき方がハンパなく、水だけではカラダがもたないのでエネルギー補給。
休憩しながらふと思う…。
休日はごった返しの九重連山も、平日の…それもこんなマイナールートともなると人がいなくていいね♪
さてここから再度の岩場登りとなる。
前岳まであと900mもあるそうだ…(汗)
アスレチックコースはたまに現れると楽しいけど、こうも続くと…キツいな…(辛)
途中に展望所が現れた。なかなかのいい眺めだ。目の前にあるのは花牟礼山である。
麓を見下ろすと、その斜度にビックリすると同時にかなり登ってきたことを実感できる。
岩場の急勾配を登りきると、その先は少し平坦に感じてしまう。
地図で確認してみると、まだ登りが続くようなので油断は禁物だが、下りとかもあったりして緩やかになったのは確かだ。ただ道は良くなった訳ではないので歩きづらいのは相変わらず…。
前岳まで500m、もう少しだっ がんばろう!
と、ここから先はやっと歩きやすい道となった。岩場のアップダウンが続く。
途中で岩に囲まれた…なんか神秘的な感じもするような…場所。
ここが涼しくて気持ちがいい。天然のクーラーだな(嬉)
ここから先は少し岩場登りとなる。ロープ場まで登場する。
もうすぐ頂上…と、その手前で小さな岩山を発見っ
なんか眺望が良さそうなので登ってみよう。
おぉ♪ なかなかいい眺めだ。北側半分が見渡せる…のだが、岩が崩れやすい気がするので危険だ…登らないほうがいいかも…(怖)
もうすぐ頂上なのだが…岩場が険しくてなかなか山頂にたどり着かない…(汗)
やっとのことで岩場が終了し、なだらかな登りを進み続けると…
前岳山頂に到着~w
ここは木々に囲まれて眺望が悪そう…と思いきや、どっこい木々が低いために岩に登れば眺望がいい。
ただ、この日は霞んでいたので遠くまで見えないのが残念無念…。
休憩を済ませて先に進む。
取っかかりの道が少々分かりづらいが、テープを探し出そう。それがルートだ。
このルートを使って高塚山を目指す。
道は…相変わらず岩場で険しくて…ため息が出そうな道が続く。
途中でテープを見失ったが、道らしきところを進んでいると…岩場のピークに出た。なんか間違った気になったが、地図を見ると…合ってるな…(安)
このピークから行き先の高塚山や天狗岩を見渡してみると…けっこう遠く感じる…
道さえ良ければなんてことない距離なのだが、如何せん道と呼べるようなモンじゃないし…(汗)
さてここからは凄まじいばかりの下りの岩場を進む。大丈夫か?と心配になるほどの下りだ。
看板を発見…あと1800mだって…(汗)
かなり険しい道が続く。もう随分二足歩行をしていないように思う。これはもう…ただのトレッキングではなく冒険になってきたぞっ
上台ウツシという場所に到着。名前の由来はどうでもいいが、すごいところを登らされるのでそれ相応の覚悟を…(汗)
岩場がとにかくハンパなく続き、岩を掴んで進む道が果てしないが、目印があるのがせめてもの救いかな…。
行けども行けども同じような岩場の道が続く…(汗)
そしてとうとう高塚山の麓の急勾配に入った。ガスもかかってきた。景色で気持ちが癒されないのが残念だが、カラダ的には気温が低くなって気持ち良かったりする。
ここの急勾配、つづら折りで登って行くのだが、もう少しどうにか出来なかったのかと思うほどに険しい…(汗)
そうこうしているうちにとうとう直登りになったっ
気合い入れていかなければ…さすがにヘコタレそうだ…(疲)
泣きそうになりながらも急勾配が終わり、やっと歩きやすい道となった。
歩きやすいとはいえ岩のゴロゴロした道であり…そう…どうも感覚がマヒしているようだ(笑)
高塚山手前のピークに到着、一旦休憩しよう。
ここから見える高塚山だけど…まだ遠いな…(汗)ホントにたどり着けるのだろうか…という弱音も脳裏を過るが、今更戻ることも出来ないし、とにかく先に進むしかないっ!
…それより何より…これまでで水を1リットルほど消費している。持つかな…(焦)
ここから先も決して歩きやすい道ではないのだが、なだらかなぶんだけちょっと楽に感じてしまう。
なだらかな下りが終わると、続いてなだらかな登りが始まる。
石や岩がゴロゴロしている道で、他の山なら険しいと思うだろうが、二足歩行で歩けるために良い道に思えてしまう。
うん…明らかにマヒしているようだね…(汗)
しばらく進むと…おおっ!登山道がっ
久しぶりに見たぞっ こんな普通の道っ(嬉)
こうなると舗装道路を歩くが如く…だっ
ズンズン進み続け、いよいよ稜線に出た。
稜線の道をサッサと歩き続けると…
高塚山山頂に到着~w
目の前に大船山がそびえ立つ。右手には他の連山の山々と左には次の目的地の天狗岩がそそり立っている。
遠くまで見晴らしが良ければ最高の眺望が楽しめるはずなのだが、やっぱり霞とガスで残念な結果に…(残)
とはいえ、黒岳で一番高い場所だ。ここで昼食とするっ
…と、その前に…
今日もコレっ! 冷たいサイダーだっ♪
おぉ~生き返るぅ~w
さて、本日のメニューは…
いつもの…ざるそば(おいなりさん付)とコーヒーゼリー♪
いただきます♪
さて本日は、予定より時間がオーバーしているために昼食を済ませたらすぐに出発するっ
次なる目標は「天狗岩」だ。
高塚山からの下りは、急ではあるが道は悪くない。
少しなだらかになった頃にひとつめの分岐に到着、ここは真っ直ぐに進む。
ちょっと進んだ次の分岐は「天狗分れ」という。この分岐もまずは真っ直ぐ進んで天狗岩へ向かう。
ここからの道も歩きやすくなっている。ここ付近は登山者が多いために整備が行き届いているね♪
しばらく進むと岩場の登りとなる。天狗岩手前のピークだ。そのピークを過ぎると少し下ってさらに進む。
いよいよ天狗岩本体に取り次いだ。ここからは正に「岩登り」である。
見た感じでは「こんな岩場登れるのか?」と思うような山容だが、目印通りに進めば大丈夫だ。
少々危険を伴う岩登りだが、私にしてみれば傾山の方がよっぽど危険だと思う。
そんなこんなで岩をヒョイヒョイと登りあがると…
天狗岩の山頂に到着したっ
山頂から見渡す岩場はすごいのひと言…。なんか…ホントすごいぞ…(感)
山頂らしく「天狗1556」と書いてあるところより、その東側にある尖った岩が一番高そうだな…。
ということで、こちらでも自撮り♪
天狗岩はとてもいいところなのだが、ガスっているため遠くの景色が見えない。ガスがなければすごくいい景色が楽しめそうな感じなのだけど…。
今回は残念だったが、その分また来たくなったな。
さて天狗岩も満喫したことだし、下ることにしよう。
下りの方向が分かりづらいが、記憶を頼りに元きた道を戻る。
岩を下りる時は注意しないと滑りでもしたら一巻の終わりとなるのでゆっくりと三点支持で下っていく。
天狗分れまで戻り、ここから風穴方向へ進む。
道ははっきりしていて歩きやすい。ただ勾配が少しずつキツくなっていく。
大船山に登った時にも書いたことだが、今から下るこの黒岳南側斜面は、ほとんど壁みたいな斜度である。とにかく尋常じゃないほどの斜面なので気をつけて進もう。
…と、なるほど…やっぱりすごい斜面になってきた。
こりゃ危険な香りがするな…(汗)
…とはいえ…デンジャラスな斜面なのだが、なんだか歩きやすいのは何故だろう…。
たぶん、こちら側からの登り下りがメジャーなために、人の踏み跡や整備もしっかりとしてあるためだろう。こういうことなら男池からこっちを登った方が楽だったかもな…
そんな後悔の念を感じつつ、注意しながら急勾配を降り続けて風穴に到着する。
風穴は大船山に登った時も立ち寄ったが、今回もやっぱり涼しい♪
ということで、ここでちょっと休憩する。
ここからしばらくは道が良くない…が、涼しいから許す。
そんな納涼な道を進んでいると大船山への分岐に到着。ここから今回は岳麓寺方向に進む。
ここからは道が良さそうだ(嬉)
と、思いきやすぐに分岐が現れた。
ここから予定では「上峠」の方向に進むのだが、標識を見てみると…どうも「迷う」らしい…。
しかし、遠回りする時間もないし、道無き道は得意なので、予定通り上峠方向へ進むことにした。
と、すぐに道を見失った…(焦)というよりいくら探せど道がないっ
そんな時はスマホで方向をしっかり保って進む…。
そうこうしていると、テープを発見した。ただ、このテープ通りに進んでも道がない。
しかし方向は合ってそうなので、とりあえずテープ通りに進むことにしよう。
とにかく歩きづらい岩の上を、テープを頼りに進んでいると…やっぱり不安になってきた。
ここで方向が合っているかスマホで確認…
????
あれ? スマホのGPSが自己位置を探せない…(焦)
しばらく待っても…探せない…(焦焦)
山間すぎて衛星を拾えないのか?…もしかして…これが迷う原因か??(汗)
どうしよう…戻るか…いや…戻るにしても、道がわからない…(大汗)
不安いっぱいの中で、とりあえずテープの示す通りに進み続ける…。
でも…もし間違ってたらここから出られなくなるんじゃないか…(焦)
そういう不安の中、圏外だったスマホが電波を受信できるところまできたようだ。
メールを受信したのだっ(嬉)
そこでもう一度、自己位置を確認してみると…
おぉ♪GPS受信した~(喜)方向も合ってるw
安心したところにさらに朗報、やっと登山道が現れたのだ。
いやぁ~これでひと安心だね~よかったよかった♪(安)
登山道らしき道を進んでいると上峠への分岐に到着した。ここで約半分くらい来たかな…。
ここから先は下りとなる。まずは岩場のなだらかな下りとなり、その先から急な下りとなる。これまでの行程で足がかなり弱っているので注意して進もう。
けっこう続くこの下りは、ほとんど真っ直ぐ下るようになるので、滑らないように気をつけて…という私は4回ほど滑った…(恥)
下りが終わると分岐に。上峠から来た道との交点だ。そう思うと…さっきの分岐を上峠に向かっても良かったのかな…。
ここからの道はちゃんとした登山道…というか、とにかくなだらかで歩きやすい。
ズンズン進み、雨堤を通過する。
心なしかここ付近では足元がフカフカしている感じで足に優しい道だ。
道はどんどん良くなっていき、林道ほどの広さまでなった。ここまでくるとお気楽な散歩気分だ。
そしてとうとう白水鉱泉の表示がある分岐に到着した。
ここからまた細い登山道に入っていくのだが、この道もなだらかで歩きやすいので安心して進もう。
登山道をテープの目印通りに進んでいると林道に出合う。この林道が黒嶽荘の脇に続いていた道路だ。
もう少しでゴールだと思うと足取りも軽くなってくる。
道を進んで黒嶽荘に到着、そこから駐車位置まで戻って…
到着~w
今回の凄まじい山旅はこれにて終了~♪
いやぁホント、お疲れ様でした~w
今回登った黒岳は、眺望もなかなかで、特に天狗岩はかなりオススメなので一度は登ってみていただきたい。
ただし、私が今回使った北側ルートは、あまり使われてなさそうで迷うこともありそうなので、初心者はもちろんのことソロもあまりオススメではない。
あからさまに危険な箇所はないが、とにかく道が分かりづらいので迷うことが多々ある。道もほとんどが岩場の登りで歩くというよりよじ登っている感じで、登山としては満喫できるが楽しいとは言い難い。また復路に使った風穴から白水鉱泉までの回り込む道はほとんど道無き道だ。
天狗岩と高塚山だけなら、やっぱり風穴から登るメジャールートがオススメである…ちょっと急斜面過ぎるけど…(汗)
とはいえ北側のルートも私が行けた道なので、無理なわけではない。ちゃんと準備して計画を立てて、地図とコンパス、それにスマホを忘れずに行けば大丈夫である。かなり険しいコースなので体力もそこそこ必要だが、一番必要なのは水分だ。夏場であれば少し多めに持っていくことを強く推奨する。
まぁ…結論的に言えば…黒岳はどこから登ろうと険しい山である…。
~今回のルート(クリックで拡大)~
<今回の動植物たち>
さて、今回は真夏ということもあってかなり汗をかいた。ちょうど車を駐車したところに水が流れていたので顔を洗ったりしたが、その水の冷たさで気分的にかなり回復できた。街中の暑さに比べたらここ白水鉱泉付近はとても涼しくて気持ちいい。山登りだけではなく、避暑として訪れるのもいいかもしれない。
ただ…今の私は何よりまず炭酸を飲みたいのでここらで失礼する…。
おわり