世の中は黄金週間で浮かれている…
かく言う私もその恩恵を受けて浮かれっぱなしなのだが、休みともなるとやっぱり山に登りたくなってしまう。
天気も良さそうなので、去年山頂が残念な結果だった祖母山に登ってみよう。
~祖母山~
祖母連山の主峰で、山頂部は大分県豊後大野市、竹田市および宮崎県西臼杵郡高千穂町の境にあり、山腹は熊本県、大分県及び宮崎県の3県にまたがる。祖母山自体の成因は隆起であるが、その元となる山地が火山活動によって形成されたため巨大な花崗岩が随所に見られ、低山部では渓谷、中高山部では断崖が多い地形である。
今回のルートは、前回と同じく北谷登山口から風穴コースで祖母山まで登り、山頂から南に進んで天狗岩を経由して障子岳、そこから西に進んで親父山~黒岳と縦走して北谷登山口に戻る周回コースを計画した。
さて、ひさしぶりの山登りとなるため、私の心は遠足前の小学生みたいなウキウキ気分で朝は超早起き。
5時前に自宅を出発して北谷登山口を目指して車を走らせる。
宮崎県にある北谷登山口までの経路は前回と同じなのでソチラを参照されたい。
登山口に到着するとビックリっ!
早朝にも関わらず駐車場が満車で、その手前の駐車スペースでさえも満タン…(汗)
仕方なくそのもうひとつ手前の駐車スペースまで戻って車を駐車する。
祖母山のようなメジャーな山は、大型連休でなおかつ快晴ともなると登山者が多いんだね…。
ひさびさの山登りに逸る気持ちを抑えつつ、準備を整えたらいつもの一服を済ませて…
いざっ! 快晴の祖母山へ!!
まずは未舗装の道路をテクテク歩いて登山口まで進む。
登山口にはこれでもかっ!というくらい車がいっぱいなのだが、やっぱり日本人は行儀がいい…どの車もちゃんと出れるように整頓して停められている。
そんな登山口を真っ直ぐ進み、前回と同じく風穴コース入口から登山道へ。
山頂までは前回と同じルートなので、詳しい説明は必要ないと思ったが、せっかくなので今回も写真と共にダラダラと説明していくので、お付き合い願いたい。
まずは渡渉。大きな沢と小さな沢を渡るとしばらくはなだらかな道が続く。
珍しい草花もないのでサッサと先に進むことにする。
だんだんと勾配がキツくなってくる頃、階段が登場。その階段をえっちらおっちら登っていく。
途中から沢登りとなる。水が流れているところは滑らないように注意して登ろう。
階段から続くこの勾配、けっこうキツいぞ…(汗)
やっとのことで沢を登りきると緩やかな平坦道となる。一旦休憩。
しばらく進むと風穴登場。
前回は険しく思えた風穴付近の登りも、今回はそれほどには感じない。
風穴は前回見たので今回はスルーさせてもらって先に進もう。
風穴を過ぎると前回休憩した広場が前方に見えた。
今回はここもスルー…と思ったが、お花(アケボノツツジ?)に誘われて立ち寄ることにした。
こうも咲き誇っていると美しいな~(惚)
大きな岩に裏から登って写真撮影。
シャクナゲとのコラボもいいね~♪
さて先に進もう。
ここから先はアスレチックな登山道となる。キツいけど面白い区間だ。
命の危険を感じるほどではないが、よじ登る箇所が多くて楽しい。
それにしても今日は暑いな…汗かいてきた。
汗と言えば…
登山を始めた頃はタオルを首にかけて汗を拭き拭き登っていたもんだ…やっぱり汗は嫌だもんね…。
しかし、最近はヘンなことを考えて拭くことをやめた…
人間は何のために汗をかくのか?
それは熱くなったカラダを冷やすためだ。
カラダがこれ以上体温が上がると危険だよ~と判断して行っている自己防衛システムだ。
と、いうことは…だ。
その汗を拭き取るのは間違ってはいないか?
危険な状態を回避するためにせっかく水分で皮膚を冷やそうとしているのに、それを拭き取るというのは自殺行為なのではないかっ?
…と考えて、最近は極力汗を拭き取らないようにしている。
目に入るとシミるのでその場合は軽く拭き取るし、休憩中は体温低下防止のために拭き取ったりするが、歩いている時はダラダラと汗を垂らしながら登っている…。
でもまぁ…私は医者でもなければ学者でもないので、本当のところはよくわからない…参考までに…。
さてそうこうしているうちに尾根が見えてきた。
尾根に取次ぐと周りの景色が良くなってくる。
前回はガスでまったく見えなかった景色が木々の間から見えて美しい。
危険箇所も健在だ。
しかし今回は余裕の自撮りをしながら進んでいく。
山頂手前の眺望良好な岩場からの眺め。
遠くは霞んで見えないが、さすがにこの高さから山々を見下ろすとライオンキングになったようで気分いい。
さて、間もなく山頂かと思いきや…これがなかなか辿り着かない…(焦)
こんな遠かったっけ…(汗)
まぁ…九州を代表する山のひとつだし、なかなか辿り着かないところも醍醐味なのかもね…。
いくつかのダミーピークを越えて、やっとのことで山頂に到着っ
今回は雲ひとつない青空で、大展望を楽しめるっ♪
とはいえ、山頂はやっぱり大盛況だった。
休憩中の人が多すぎてザックを降ろす場所もないくらい…(汗)
休憩中の登山者を避けながら山頂からの眺めを楽しむ。
昼前なので、まだ遠くは霞んで見えないが、それでも祖母山からの眺めはいい。
…と思っていたけど、恋焦がれた祖母山山頂からの景色は期待が大きすぎて、実際に見てみるとあまり感動せず…。
傾山から同じような景色は見たし、他の山でも雄大な景色を見たせいだろうか…。
とりあえず山頂を楽しんだので、人の多い山頂を後にして先に進もう。
次の目的地は天狗岩だ。
山頂から「古祖母 傾山 黒金尾根方面」の方向へ下る。
進むべき方向は理解できるのだが、この下りの斜面がシャレにならないくらい急斜面で怖い。
ロープや梯子が施してあるで、それらを利用するぐらい分かるが、足場がほとんどないところもあるので滑り落ちそうなのだ(汗)。
ゆっくりと足場を探し、確かめながら安全に下り続ける。
下までロープや梯子を伝って下って行くのだが、梯子もロープも中には頼り無さげな細いヤツや錆びついたヤツもあるのでちゃんと確認しながら使用する。外れたり切れたりしたら真っ逆さまに落ちていくような岩場だ…気をつけよう…。
圧巻は最後の梯子場。
岩と岩に架けられた梯子の下は何もなく、落ちようものなら自動的に行方不明になれるような場所で、本気で怖い。
高所恐怖症の人は大丈夫か…な?
とにかくその梯子群を渡り終えると、やっと生きた心地のする稜線道となる。
平坦な道の続く稜線道を進んでいると祖母山を仰ぎ見ることができる場所が随所にある。
こっち側から見る祖母山ってすごい山容だな…(汗)
傾山にも負けてないくらい切り立った山なんだね…。
あんな岩場を下ってきた自分を褒めてあげたい…そんな気持ちになれる景色である。
さて、この稜線道には途中の右に左に展望所がたくさんある。
傾山方向や阿蘇方面の山を眺めつつ、だんだんと遠くなっていく祖母山も楽しみながら進んでいこう。
こちら側の登山者はパーティが多い。それも団体さんで登ってこられる。
ツアーとかやってんのかな…。
とか何とか思っているうちにけっこう下ってきたようだ。
暑くなってきたのだ。温度計を見てみると…25度…??
下界より暑いんじゃないか…(汗)
「天狗ノ分れ」分岐に到着。ここから古祖母山・障子岳方向へ進む。
少しキツい勾配を登り続けると天狗岩との分岐に到着する。
天狗岩へは急な岩場を登って数分で到着♪
…と思いきや、もちょっと先に進める。
お~♪ここからは祖母山が一望できるじゃん♪
いい眺めだぁ~w
と、思っていたら、その先にも岩場が…
あれがホントの天狗岩なのかっ!
と草を掻き分けながら進むと…赤いモノが…
…「危険」? 行けないのか?
う~ん…確かに切り立った細い岩場を渡らなければ先に行けない…。
でも何とか行けそうな気が…
というとこと進んでみることにした♪
もちろん足を踏み外そうものなら奈落の底へ真っ逆さまのデンジャーゾーン。
しっかり三点支持でゆっくりゆっくり…
…と思いつつも、性分なだけにこんなことをしつつ…
天狗岩先っちょに到着~w
すっごい絶景っ!
360度の大パノラマだ。
ここに立っている私を誰か遠くから撮ってくれないかな…(笑)
とりあえず「傾山を眺める私」という題名の写真を撮ってみた。
さて、天狗岩を満喫したら次の目的地の障子岳を目指す。
アップダウンの激しい稜線道をひたすら進む。
ちなみに祖母山からのこの稜線道はほとんどが開豁しているため直射日光を浴びるので疲れも加速する。
ダウンはまだいいが、アップの時はそうとうキツい…(汗)
これまでの疲労も蓄積されており、さすがに足も重たくなってきた。
呼吸を整える程度の休憩をこまめに取りつつがんばろうっ
害獣柵が現れた。
柵をくぐって勾配を登ると岩場に出た。
たくさんの人が景色を楽しみながら休憩している。
でも…ここは障子岳山頂ではなさそうだ…。
とりあえず写真を撮って障子岳山頂に向かう。
もう一度柵をくぐったすぐ先に山頂発見。
障子岩山頂に到着~!
景色がいいね~♪ 特に南側の景色がよく見えて気持ちいい。
とはいえ山頂は日差しが強くてたまらん(汗)。お昼もまわってお腹も空いたので先に進もう。
次なる目的地は親父山。
親父山・黒岳方向へ下ると、その先はなだらかな稜線道で楽チンだ。
足どりも軽やかに稜線道を突き進む。
親父山はもうすぐ…というところのコル部にこんなものを発見。
戦時中に米軍のB-29が墜落したという場所らしい。
この看板から急坂を登ると親父山に到着した。
さて、今回の登山は、ある意味この親父山が目的地だった。
なんの変哲も無い、景色もそれほど望めない山ではあるが「親父」山に用があったのだ。
実は先日、私の親父が逝った。
戦前に生まれた親父は、苦労もしたと思うが、長生きだったし、幸せだったと思う。
そんな親父の追悼の意味を込めて今回この親父山に登りたかったのだ。
そしてこの山で大休止をしたかったのだ。
車なので一緒に酒は飲めないが、一緒にメシでも…と思ったのだ。
親父~生んでくれてありがとな~
育ててくれてありがとな~
ゆっくり休んでくれよ~
ということでこの親父山で大休止、親父と一緒に昼食とする。
…親父の分はないけど…(謝)
今回のメニューは…
カップ麺(担々麺)、おにぎり、無造作に焼いたウインナー、食後のコーヒーゼリーとミルクカフェラテ。
でゎいただきますw
カフェラテを飲み干して一服しながら上にかかる木々の枝と空を眺めていたら眠くなってきた。
朝も早かったし、ここまで強行軍で進んできたために疲れているので、ちょっと昼寝しよう…。
さて、体力が回復したようなので先に進むことにする。
次の目的地は黒岳だ。
親父山山頂から「黒岳 北谷登山口」方向へ伸びる登山道を進む。
一旦下るが、そこからはなだらかな稜線道となる。
しばらく進むと黒岳が見える。
…なんか尖ってるな…(汗)
シャクナゲもキレイな緩やかな稜線道を進むと少しずつ登りがキツくなってきた。
いくつものダミーピークに心を折られながらも、ひたすら黒岳山頂へ進み続ける。
途中で分岐発見。帰りはここから…だね。
何回ものアップダウン(アップ>ダウン)を繰り返しならがら、やっとの思いで黒岳山頂に到着する。
黒岳山頂は尖っているにも関わらず、残念ながら眺望はない。
少し先に展望台があり、西側の展望が広がってはいるが、霞んでいることもあって前回の筒が岳ほどの感動はない。
山頂手前にはいくつかの展望可能な場所があるのでそこからの景色を楽しんだ方がいい。
北方向と南方向にそれぞれ展望台があるのでそこそこ楽しめる。
でも…まぁ…何回も見てきた風景なので…感動はそこまでないけども…。
ということで下山することにする。
先ほどの分岐まで戻って北谷登山口方向へ進む。
…のだが、見るだけでも急勾配の下りみたいだ…(汗)
勾配はあるが、道はしっかりしているので、ゆっくり進めば安全だ。
ただ、逆に登りとしてはほとんど直登りなのでキツそうだな。
急な箇所にはロープが施されているので、しっかり掴んで滑らないように下る。
勾配が急なために速度が出ないし、地図上での距離はなかなか縮まらないが、焦らずにゆっくり進もう。
しばらく進むと沢下りとなる。水はほとんど流れてない沢だが、石がゴロゴロしているし、大きな石でもグラグラするので注意。
途中で休憩がてら沢の水で顔を洗ってみた。
手が切れそうなくらい冷たくて気持ちいい♪
気持ちはシャキッとなったが、如何せん疲れた脚は乳酸がたっぷりで、なかなかスムーズに下れない。
こんな状態で慌てると危険なので、ゆったりとした気持ちでゆっくり安全に進もう。
しばらく進むと「ここは明らかに危険でしょう」というようなロープ場が…(焦)
どうやって下ろうかと悩むようなロープ場だが、いつもの如く「登り」と思って足場を考えれば…
…いやいや…それでもちょっと怖いぞ…(汗)
ロープを掴んで下ってみると…それなりに足場が見えてきて、なんとか下ることができた。
沢下りはまだまだ続く…。
どこまで続くのかなぁ…と私の膝も心も限界に近づいてきた頃、大きな水の音が聞こえてきた。
本流に合流したのだ。
合流した地点から見える滝や沢が木々の緑に映えてとてもキレイな風景である。
そんな景色に励まされてヤル気充填っ!先に進もう。
赤いテープの道標に導かれながら沢を二度ほど渡ると、ここからはやっと沢沿いの登山道となる。
緩やかな道を進むと人工林に入った。道はなだらかで歩きやすい。
しばらくすると沢まで下り、その沢を渡って尾根を超えると、もう一度大きな沢渡り。
そこから緩やかな登山道を進むと、道路に出合った。登山口の手前に出たのである。
ここから車を駐車している場所へ下っていく。
そして駐車場に到着~w
いやぁ大変お疲れ様でした~♪
今回のルートは北谷登山口からはキツめの風穴コースで祖母山に登り、それからさらに天狗岩へ向かうコースは危険な箇所もあって、なおかつ黒岳から下る下山道も足場が悪くて勾配も急なために、けっこうキツい縦走コースであった。
日帰りとしては、初心者はもちろんご年配の方などは体力的にも困難なコースであるが、であるがために楽しいコースでもある。体力に自信がある方は是非チャレンジしていただきたい。
ちなみに総距離は12km程度で、時間は休憩を含めて9時間ほどの行程であった。
~今回のルート(クリックで拡大)~
<今回の植物たち>
さて、今回はひさしぶりの山登りだったのに、こんなキツい縦走コースを計画したためにカラダがすでに痛くなってきた。さっさと帰って風呂に入ってゆっくりしたい…のでこの辺で失礼する。
おわり