2023年9月13日にリリースされるBE:FIRSTの4thシングル「Mainstream」への期待が爆発したブログの第2回目です
前回までのあらすじ(?)
”Mainstream”という曲について、彼らの社長であり楽曲制作の中心を担うSKY-HIが世間に向けてこんな文章を投げかけたことがすべての始まり。
流行は追うものではなく作るもの
BE:FIRSTは2023年にこの曲を”Mainstream”として提示する
そして、今回の曲のコンセプトや制作過程を追ったドキュメンタリー動画『What's the "Mainstream??"#1』で明らかになったことは、非常にギザギザしていてメインストリームっぽくない曲であること。
それをあえて”Mainstream”というタイトルにした、そこに込められた思い。
メンバーが幼いころからずっと好きで聴いてきたルーツのヒップホップが日本では古いものになってしまったことへの抗いのようなものを7人全員持っていて、日本ではかっこいい音楽が売れない、売れそうな曲しか売れないという現状、そこに真っ向から立ち向かっていく意志が語られたのであったー
(解釈に若干bibiriusagiの中二病が入り込んでいるかも)
本場のヒップホップといえばまずはEMINEM
8/17、今回の新曲を理解するためまず本場のヒップホップを聴いてみようということでEMINEM聴いてみました
EMINEM 『Lose Yourself』 2002年公開映画『8Mile』の主題歌
かっけーーーーー
やーっぱ本場のヒップホップはこれよね~~~~~!!
アメリカのヒップホップは歌メロなくてあんまり分かりやすいサビとかないんだね。
ずっと同じトラックが流れてて、ほとんどラップだけで緩急つけて、最高潮にノるところがサビみたいな。
トラックもすごいシンプルなのにこれにリズミカルにのっかってくるラップがめちゃかっこいいという。
8ビートや4つ打ちのミドルテンポ(あまり速くはない速度)で、ラップが音間を埋めてく感じ、これぞ世界で売れてる音楽性の高いヒップホップってやつだよなと思う。
レイジやレッチリを一生かっこいいって思ってる私だけどエミネムも同じ枠ですわ
かっこいい!
こんなんを日本のメインストリームでやったらあっぱれだなぁーーー
とはいえサウンドは90年代に流行ったラウドなサウンドな感じがするので多分今流行ってるサウンドとは違うのかな。
ラップに関しても英語ならではのカッコよさがあるから日本語だとまた違う雰囲気になりそうだけど、『Rap God』みたいな高速で畳みかけるラップ、RYOKIあたりが歌ってる姿を結構容易に想像できたりしました。
EMINEM 『Rap God』
日本でヒップホップがど真ん中にきてた時代とは?
ヒップホップというジャンルを大通り(メインストリーム)でしか聴いていない人間(別の裏通りにいました

SOTAがいうようにヒップホップが流行のど真ん中にいた時代は確かにあったなと思います。
肌感覚で言わせてもらうと、
日本の大通りに最初にヒップホップ(日本語ラップ)を流行らせたのはずばり
EAST END×YURIの『Da.Yo.Ne』(1994年)
だと思う!!!!
めっちゃ聴いてたしめっちゃカラオケの練習してた(歳バレるw)
この緩くてノリが良くて陽キャな感じ、踊り遊びながら歌うような曲のスタイル。
日本のメジャーシーンでよく見るヒップホップの特徴はこの人たちが最初に広めた感じがします。
時期を同じくして流行っていたのが
小沢健二featuringスチャダラパーの『今夜はブギー・バッグ』(1994年)
渋谷系×ゆるヒップホップの最高傑作。
こちらは大通りで大ヒットとまでは言えないかも、どちらかというとやっぱり「コア層」にウケていた印象?
どちらかというと裏通り的ロングヒットをしていると思う。
音楽通が時代を超えてずっと好きな曲というイメージ。
少し時代が進み、1999年に突如として日本のトップチャートのど真ん中に君臨したのが
Dragon Ash
Dragon Ash 『Grateful Days featuring Aco,Zeebra』(1999年)
彼らの売れ方といったら半端なかったんですよ。
出す曲出す曲がCDTV(毎週欠かさず観ていたw)で一位に君臨していた。
実際めちゃめちゃ見た目もかっこよかったし、バンドとしてのスタイルもファッションも全てにおいて当時の若者の心をつかんでいたと思う。
そんな隆盛を誇ったDragon Ashだけど、今ではほとんど街中で流れることはなく限られた年齢層だけがカラオケで
♪俺は東京生まれヒップホップ育ち!
わるそなやつは大体トモダチ!
の部分で異様に盛り上がるだけになっている。(我ド世代です)
Wikipediaのディスコグラムを見るとDragon Ashの全盛期は3年くらいだったことが分かる。
Dragon Ashはひょっとして過去に売れたJ-POPの中の一つになってしまってるのかもしれないけど、その時代を生きていた人間にとって明らかにとびぬけてかっこよかったし今聞いても曲の良さは色あせていない。
Dragon Ash以後、日本のメジャーシーンは
2001年にKICK THE CAN CREWやRIP SLYMEなどの陽気な感じのヒップホップグループが上位にランクイン。
その後ケツメイシ(『さくら』のヒットが2005年)や湘南乃風(これはジャンルはレゲエらしい)(『純恋歌』のヒットが2006年)がラップを取り入れたバラード曲でメガヒット…という流れがあったように思う。
2000年代は他にも
nobodyknows+(『ココロオドル』2004年)
Def Tech (『My Way』2005年)
キマグレン(『LIFE』2008年)
などのヒップホップかレゲエか分からないけれどラップの曲を歌う人たちがヒットを飛ばして、
なんかそこ以降ヒップホップ的な音楽が大通りからは消えたイメージだ。
ケツメ湘南乃風辺りから、「これってヒップホップ?レゲエ?J-POP?」っていうくらい一つのジャンルとしてのヒップホップの枠組みが薄くなって、一緒くたで"J-POP"と呼べるものになっていったような印象。
私が思う肌感覚での大通りから見た日本のヒップホップの歴史はそんな感じだったと思います。
もちろん私が知らないだけでその後も大通りでヒットしたヒップホップグループは出てきていたのかもしれないけれど、やっぱりDragon AshやRIP SLYMEらがばんばんチャートインしていた時代を生きていた人間にとってはあの頃の日本のヒップホップ界は元気だったなぁと思います。
と同時に、EMINEMみたいな本場のヒップホップとは全然種類が違うなとも感じました。
そこで日本のヒップホップの黎明期である「1990年代J-ヒップホップ ベスト」(Apple Music)を聴いてみると、裏通りの日本のヒップホップは大通りで売れている系統もあればへヴィーで攻撃力の高いサウンドや日本語ならではのカッコよさがあるラップとサウンド(THE BLUE HARBとかめっちゃかっこいい)など、多種多様な進化を遂げていったことが分かり、EMINEMのヒップホップに負けないくらいかっこいいサウンドにあふれていました。
***
BE:FIRSTは日本のメインの市場にヒップホップを再び引っ張りだそうとしています。
そして、今回出そうとしているヒップホップは当時日本で流行ったものの再現では多分ないと思う。
今年の夏フェスでSpin!やMilli-Billiを効果的にセトリに入れてるBE:FIRSTだから、ついにそれ系をシングル表題曲で出すってことなのかなぁ。
紅白でSpin!は確かに想像できません
じゃあSpin!やMilli-Billiみたいな曲を出すのか?というとそれも違うのでしょうね。
攻めた曲ではあるけどまだどこかに今日本の若者に受け入れられやすいサウンド感が残っている曲ではあるし(主にK-POPが好きな層に)。
その特徴は分かりやすくサビがあるとか、曲の雰囲気がガラッと変わる箇所がある、歌メロに近いラップ、とかだと思っている。
EMINEMや日本の90年代のヒップホップを聴いていると、かっこいいと思うヒップホップには歌メロが(ほぼ)ない気がした。
Spin!やMilli-Billiはちゃんと歌メロもある。
BE:FIRSTはロングトーンで「歌、うまっっ」と思わせられるアーティストだけど、歌メロがない全てラップの曲を出してくれてもそれはそれですごい変革だし痺れるなぁとは思った。
ここでドキュメンタリーの#2が公開されたのでリアクションします
BE:FIRST Documentary / What's the "Mainstream"?? #2
8月24日公開されたドキュメンタリー#2。
はいさっそくなんですが、今回の新曲、歌メロある模様です
ラップ+歌メロ+ダンスがあるのがBE:FIRSTというのが浮き彫りにされました。
そりゃーそうだよね!
あんなに歌うまいのにメロがないんじゃもったいないもんね!(素早い前言撤回)
『D.U.N.K』の前、BE:FIRSTのメンバー7人がもっとプロとしての自覚を持たなきゃだめだと自分たちで考え、韓国でみんなでいるときにSKY‐HIを呼び出したそうです。
”こういう曲やったらよくないかなって思っているのを聴いてもらってもいいですか”
(めちゃめちゃ嬉しそうに語るSKY-HI)
”Boom Boom Back最高だけどもっと攻めれないですか”
と。
SKY‐HI
”世界中のボーイズグループがこういうテンションは見たことがないし、…(略)"
”何年ごろの何々のスタイルってこういうフィールがあった
それをBE:FIRST風にできませんか?”
”BE:FIRSTの人格を定めたい
それが固まった”
うーん興味深いお話が満載🤤
それからソングライトキャンプ(合宿)を2日間、スタジオに集まって行い、みんなで5曲作ったそうです。
Ryosuke "Dr.R" Sakai(今回の新曲のトラックメーカー)
"すごい振り切ってる曲
Gifted.も振り切ってたけどまた全然違うベクトルで。
ヒップホップさ、ストリート感に関してとにかく振り切ってる”
”サウンドは現行のアメリカのヒップホップスタイルを踏まえつつ
彼らがそのトラックの上で自由に暴れる
歌でも遊べてるしラップでも遊べてる
そこにダンスががっつり入るのが見所、聴き所”
SKY‐HI
”エッジの高いもの、いや他のボーイズグループここまではやらんやろっていうことでもないし、
「ポップはチーズィーだからやりたくない」でもない” (チーズィーとは?)
”ただ一番今のBE:FIRSTとして純度が高いものになりそうだったから表題曲を「メインストリーム」にした”
ここで映されるマナト、ソウタ、リュウヘイの歌唱シーン
♪ (リュウヘイ)ビー ショップ ザ ニュー スタンダード
っていうラップがもうかっこちい。。。
”Dr.R"Sakai氏
”曲制作中からトラックこうしたいです、ここのパートこうしたらどうですかねって。
めちゃめちゃアイデアが出てきたので楽しいなと単純にプロデューサーとしても。
BE:FIRSTのなにが変わったかというと自信。
人前に出てアーティストとして歌いますというオーラを纏いだしている。
アーティストオーラがない人が歌うと着せ替え人形。重みもないし凄みもないしという曲になる。
それがついにBE:FIRSTができるというステージまできてるんだな”
”これが売れたら
これが売れたら
とんでもないでほんまに”
SKY-HIなぜかエセ関西弁で締めるwww
ドキュメンタリー#2ではRECシーンも公開されて、かなり曲の全体像も見えてきました。
SKY-HIや"Dr.R"Sakai氏が語る言葉、キーワードを拾えば拾うほどみなぎるヤバい曲がくる感。
もうこのヤバさ、期待感の爆発具合はこれ以上説明不要でしょう。
そしてこの新曲をもっと理解するためには
現行のアメリカのヒップホップスタイル
というキーワードを掘り下げる必要があるなぁ・・・
世界で流行のヒップホップで調べたら”3連符フロウ”を発見した
Migosの『Versace』(2013年)(デビューシングル)という曲が近年のヒップホップの草分け的曲のようで。
▶情報源はこちらのサイト
USヒップホップの潮流 Migos以降のトレンド「Scotch Snaps」のリズムデザインとは(KAI-YOU Premium)
さっそく聴いてみると、うおー!Spin!のリョウキっぽい?!
今まで90’sのJ-ヒップホップを聴いていてもあまりSKY-HIやBE:FIRSTっぽい曲ないなーと思っていたんだけど、これはまさにかも!
さらに記事を読み進めると、この人たちが始めてその後のヒップホップ界に急激に広まっていったラップが「3連符フロウ」と言われているラップだそうで!
なるほど…!
何か最近のラップはカクカクしてると思わせたのはこの3連符なんだ!
めちゃめちゃ納得!
この記事を読んだ時の爽快感はすごかった!
ここでドキュメンタリー#3とティーザーが公開された
Mainstream -teaser-
9月1日にティーザー公開を予告するYouTubeのページの概要欄に楽曲制作陣の名前の一覧があがり、コレオグラファーの欄にSOTA(BE:FIRST)の名前があがりました!!!!!
(正しくはSOTA、ReiNa二人の名前です)
ついにSOTAがシングル表題曲の振り付けを!!!
ソタファン大歓喜
ティーザーは映像は謎の柱が並ぶ空間とMainstreamのロゴのみ。
上下する電子音と2パターンのリズムが8小節分流れただけで終了。
映画『BE:the One』公開後、映画のラストで新曲とおぼしき音が流れているとX(旧Twitter)で話題になっていたのですが、まさにそれでした!!
イントロなのかな???
短すぎて分からなさすぎる
*ドキュメンタリー『What's the "Mainstream"??』#3から拾うキーワード
BE:FIRST Documentary / What's the "Mainstream"?? #3
・Reina氏(コレオグラファー)
”バズりそうというのと真反対”
”すごい抑えめなサビだったので”
重要なキーワード出たな・・・ついに。
サビが抑えめ。これを日本のメインの市場で出すのは革命的なワード。
・Boom Boom Backはもっと攻めることができたよね、と当時から意見が出ていた
この辺の話は既にクイック・ジャパンvol.166でマナトが語っていました…!
・Boom Boom BackやMilli- Billiのような曲がBE:FIRSTのメンバー全員が共通して重きを置いているもの
・RYOKI
(Mainstreamの歌詞は)同じフレーズで同じメロディーラインの1番と2番で同じ部分を日本語と英語で変えてくる。
でも耳に聴こえてくるのは同じ音だという。
”日本語に興味を持ってもらいたい。Made in JAPANとしては”
いや最高かよ。Don't Wake Me Upでも既にそんな風に日本語詞を英語詞のなかに自然に組み込んでたよね。そのやり方を貫いていこうという姿勢が素敵すぎだよ…
・SOTAがしきりに言う「僕らの青春の曲」「あの時憧れてた音楽」って?
SOTAらが生まれたのが2000年代前後だから2010年頃~2020年頃までのヒップホップがきっと該当する。
その頃アメリカではどんなヒップホップが流行っていたのだろう?
そして日本の裏通りでは??
ヒップホップの自由研究はまだまだ終わりそうにありません
次回へ続く