共産主義経済と資本主義経済の本質的な違いについて自分が思ったコトについて述べていく。


まずは共産主義経済について。

共産主義経済において三種の神器と言えるのは"モノ"、"暴力"、"権威"である。共産主義国家においては取り敢えず目に見える"モノ"、例えば"食料"や"兵器"の製造を重視し、それを"党"や"政府"という権威が"軍隊"という暴力を用いて労働者を働かせてただひたすら生産させている。なぜ共産主義国家が"食料"や"兵器"に拘るかと言えば、"総力戦"に備える為である。なぜ彼等が総力戦に備えるかと言えば、彼等の言う"帝国主義国家"、つまり"西側諸国"による"侵略"に備える為である。また彼等が"カネ"や"サービス"では無く食料や兵器などのモノを直視してただひたすら生産させた理由は、共産主義国家の前身となる国はどこも貧しく"資本主義経済"が未発達で、"カネ"や"信用"といった目に見えない概念が理解出来なかったからである。革命においてひたすら"暴力"で"モノ"を"奪い"、革命後の国家建設でも、暴力でひたすら労働者を動かして食料や兵器といった"モノ"を作った為、"信用"や"知識"といった目に見えない概念が理解できない状態が続いた。

"知識"を軽視した例として、中華人民共和国の大躍進政策では、ただひたすら鉄を作りゃあ経済を良くなるだろうと鉄を作りまくったが、やみくもにそこら中に生えてる木々を伐採し、古くからある寺などを壊してその煉瓦を溶鉱炉とし、農民が普段使ってた農機具を取り上げてそれを溶かして鉄を作った。結果的に農業は壊滅し、木々を伐採されたエリアが大規模な土砂崩れを起こした。

また共産主義国家の人間は"パクリ"によるイメージダウンも理解出来ないから、ナニか高性能なモノを開発する時に取り敢えず手っ取り早く西側の技術を違法に"パクリ"まくった。結果的に"イメージダウン"に繋がり、また独自の技術が発達せず資本主義国家に敗北した。

あとは共産主義国は"利益度外視"で開発プロジェクトを行う為、ソ連が開発したモノでアメリカを上回る性能の"モノ"は多い。例えばアメリカのが各パーツを自分の体にはめ込むタイプでえらく着用に面倒なのに対し、ソ連が開発した宇宙服は各パーツが完全に一体化され背中部分にある生命維持装置をパッカリ開けて身体に装着する仕組みである。またアメリカの宇宙船が大気圏再突入の為にとても厳重な防護システムが施されていたのに対し、ソユーズ宇宙船は川に投げた石ころが跳ねるみたいに何度も大気圏再突入をやり直して適当な位置で突入する仕組みだったからそこまで厳重な防護システムは施されておらず整備しやすくて尚且つ安価だった。ソ連海軍が建造したキーロフ級原子力巡洋艦にはアメリカ海軍のズムウォルト級に先駆けてステルス機能を搭載し本当の排水量は2万トン以上なのにレーダーには2千トンクラスの艦にしか映らない、アメリカ海軍のイージス艦に先駆けた多目標に対処出来る対空迎撃システムを搭載している、最大射程700kmで核弾頭搭載可能なP700グラニート艦対艦ミサイルによる高い艦対艦能力を搭載しているなど明らかに西側の艦艇を上回る性能がある。しかしそれらを複合的に組み合わせて"システム"を構築し"運用"するというこれまた目に見えない概念が理解できなかったからアメリカに敗北した。宇宙開発においてソ連は"世界初の人工衛星打ち上げ"、"世界初の宇宙への人類到達"、"世界初の宇宙遊泳"といった快挙を成し遂げながら、その先の"世界初の月面着陸"が世界を驚かせるコトを分からずアメリカに越され、宇宙開発の勝者はアメリカとなった。キーロフ級原子力巡洋艦は作ったはいいが余りに運用コストが高すぎてマトモに活動出来ないままその大半が引退するハメとなった。

更に冷戦終結後にロシアを初めとする旧ソ連構成国は汚職や賄賂が横行するようになったが、それも資本主義経済の表層だけ知り取り敢えず"カネ"を沢山持ってれば勝ちだと思ったからである。賄賂を貰いまくるコトによる"イメージダウン"が彼等には理解出来ないのである。

冷戦終結後にIT革命が起こったが、それを牽引したのは主にアメリカの企業で、ロシアからはGAFAに当たるIT大手は誕生していない。旧ソ連にもGoogle創業者セルゲイ・ブリンやAmazon創業者ジェフ・ベゾスの父など優れたIT技術者は沢山いた。しかし前述したように旧ソ連諸国には"信用"といった概念が無く新たに発明した技術もパクられまくるだけだし、またナニかあるとすぐ政府に潰されかねない危険性がある。結果的に彼等はアメリカに移住しそこで起業するようになってしまった。


次に資本主義経済について。

資本主義経済における三種の神器と言えるのは"カネ"、"信用"、"知識"である。そもそも資本主義が発達した国家には後に共産主義革命が起こる国よりも生活が豊かで余裕がある。だから前述したような"カネ"、"信用"、"知識"といった目に見えない存在を理解するきっかけが産まれるのである。

例えば共産主義国家の人間が信用性の低い硬貨を溶かして銃の部品にでもしようと考える所を、資本主義国家の人間は、ただの紙切れや金属の塊に過ぎないおカネに"信用"という目に見えない存在を与えて、それをモノとモノの取り引きに役立てようと考えたのである。そしてその紙切れや金属の塊に過ぎないおカネに"信用"という目に見えない存在を与えてモノとモノの取り引きに役立てた。

また技術などをパクってばかりいるとイメージダウンに繋がると理解した彼等は"特許"という目に見えない概念を発明し、お互いの技術のパクリに歯止めをかけた。

そして資本主義国家の人間は共産主義国家の人間みたいにただ奪う・ただ作りまくるとは違い、"モノ"を生産する時は、これを必要とする"需要"はどれぐらいあるか、どれだけの"コスト"が掛かるか、これが売れた時の"売り上げ"から生産に掛かった"コスト"を引けばどれぐらいの"利益"が残るかなど目に見えない概念を理解出来る"物質的"・"時間的余裕"と必要性があった。結果的に必要な分だけ作り必要な分だけ売るというバランスの取れた経済活動が行え、資源を浪費するコトも無くなった。

また政府が民間経済に暴力で介入しないという慣習が確率された為、そこでは様々なアイデアが生み出され、それがイノベーションに役立った。結果アメリカを初めとする資本主義陣営はソ連を初めとする共産主義陣営に打ち勝てたのである。


いかがだろうか!?