作家の村上龍を初め一部の人達が日本は本土決戦していれば日本人は「立派」になれたかのような発言をする。

だが果たして日本が本土決戦して本当に「立派」になれたのだろうか!?

確かに中国やベトナム、トルコでは大国相手に本土決戦を行って侵略を退け見事国家の独立と国民としてのアイデンティティを手に入れた。 

だが第二次世界大戦の日本にそれは当てはまるのだろうか!? 

そのいい例として沖縄とドイツがある。沖縄は日本の本土で唯一直接の戦場となった。ドイツも最終的にヒトラーが自殺してもなお戦闘を続け全土が占領された。 

だが沖縄は終戦後も米軍の統治下に置かれ、日本への返還後も基地問題で揉めたり、そこにひろゆきが乗っかって来たり、日本本土とアメリカに対する反動からか玉城デニー知事が中国を訪問したり。

ドイツに関しても、今回のウクライナ戦争においてウクライナの所謂ネオナチ的な連中が一番期待を寄せてた国だった。なぜならホルモドールなどで散々ソ連にいじめられていた所にドイツ軍がやって来たから解放軍として歓迎しドイツ軍と共にソ連と戦ったからだそうだ。だが今回のロシアによるウクライナ侵攻ではドイツはロシアとビジネス関係でズブズブで、ウクライナ支援には及び腰だとか。それに元ドイツ国防軍軍人達は自分達が勝てなかったロシアにウクライナが勝つのが許せないらしいってよ。

だから本土決戦していれば立派になれたと言うのは綺麗事の脳内お花畑思考に過ぎない。世の中そんな甘いもんじゃ無い。

そもそも先程述べた中国やベトナム、トルコが本土決戦で勝てたのも支援してくれる国があったからだ。当時本土決戦を考えていた頃の日本は同盟国は全て降伏し支援国は無く、支給出来る武器は竹槍ぐらいで、

一方のアメリカ軍は今と違って原爆だの毒ガスだのジャンジャン使うつもりだった。竹槍でどうやって原爆に立ち向かえって言うんだ。それじゃあまるでマリアナの七面鳥撃ちならぬゴキブリ潰しのような感覚で日本人は絶滅させられ、村上龍が「5分後の世界」で描いたような立派な戦いぶりは出来なかっただろうよ。

「5分後の世界」で描かれた地下都市も一体全体どうやって作るっていうんだ!?松代大本営のように政府の中枢だけを地下に移転させるならともかく、日本人全員を居住出来る地下空間を、戦時中にしかも当時の日本の技術力で作れるワケ無いだろ。

さらに当時飢餓作戦といってアメリカは日本中の港にB29から機雷を投下し船舶を移動できないようにしていたから、商船はおろか漁船すら港を出港出来ない状態で、その結果による食料不足が原爆以上に終戦を早めたって話もあるんだよな〜。だから本土決戦せずともあの戦争が長引いていれば日本人全員餓死していたかも知れない可能性だってある。

あとさ「愛と幻想のファシズム」の洞木という登場人物が、日本のあそこでの降伏は天皇が殺されてた可能性もあったとか言ってたけどさ、こんな状況の日本が本土決戦する方が天皇が殺される可能性明らかに高いだろ。

「愛と幻想のファシズム」で洞木は総力戦研究所の人達を尊敬すると言ってたが、彼等は日本の国力からしてアメリカとの戦争には勝てないと言っていたでは無いか。

そもそも村上龍を含め日本は本土決戦すれば良かったと言ってる人達は皆戦後生まれで、先の対戦を経験した者で本土決戦すべきだったと言ってる者は聞いたコトが無いんだよな〜。

本土決戦していれば良かったと言う者はこの現実を直視して欲しいな〜。