アルバム「生まれたところを遠く離れて」収録。
今でも覚えてるシーンがあるんだけど、
この曲のリズム隊が上手く録れなくて、
なんか煮詰まってバーンとスタジオのドアから外に出たら、
雪が降っていたんですよ。
町支君が俺と二人だけで生ギターでやっていた頃、
仕事が無くて彼はガラス工場へ働きにいっていた。
で、ガラス工場で友達になったそこの店員さんがいて、
「俺、音楽をちょっとやっているんだ」って町支君が言ったら、
相手も「俺も浜田省吾って好きなんだよね。
『青春の絆』が大好きなんだ」と言ったらしい。
ところが町支君は、俺と一緒にギターを弾いてるなんてとても言えなくて、「あ、そう~」って言ったまま家へ帰った。でも凄く嬉しかったって。
(省吾さん談)
長年「隠れた名曲」というくくりだった気がするが、
2021年「この新しい朝に」のカップリング曲として蘇り、
「ファンならほぼ知ってる曲」となった。
「70年代縛り」のファンクラブイベントで歌われなかったのは、
このためだったのかと勘ぐってしまいそうになる。
改めて見てみると、
当時二十歳そこそこの若者が書いたとは思えないほど成熟した歌詞だと思う。
それを今の省吾さんが歌っている事自体意義がある。
蛇足だが、
TVドラマ「愛という名のもとに」の第1話の「サブタイトル」が、
「青春の絆」。
ところが4話の「涙あふれて」まで省吾さんの曲名は出て来ない。
どうせならサブタイトル全部に徹底して欲しかったと、
今でも思っている。