省吾の初映像作品(ビデオ・LD)「ON THE ROAD "FILMS"」に,
「CLOSING THEME」として初収録。
後にDVDとして再リリースされた際、
「THEME OF SAKURA」というタイトルが付けられた。
それ以降も、長らくCDには未収録だったが、
「The Best of Shogo Hamada vol.3 The Last Weekend」に、
「桜」のタイトルで収録される事になる。
何故この曲が「Protest Song」メインの「BEST盤」に収録されたのかは、
過去のインタビュー記事を読むと窺い知る事が出来ると思う。
ディレクターの須藤くんから
「国歌になるような曲を作ってくれ」という依頼を受けるんです。
何故そうなったかというと、SONYの盛田会長が世界を色々回る時に、
日本の曲というと国歌か「さくらさくら」か「昴」しかでてこない。
そうじゃないものを作れないかという依頼が、
彼のもとにあったというんです。
その話の真偽は確かめた訳じゃないんですが、
その時に作ったのが今コンサートの最後で流してる曲。
「ON THE ROAD "FILMS"」の最後で流れているクロージング・テーマ。
自分としては国歌として作ったんです。
僕は国歌とか国旗というのは象徴的なわけだからあってもいい、
肯定的なものだと思います。
国歌を持たない民族の悲劇というのもあるわけだし。
ただ、国歌というのは国民の提案や国会の承認が無いと決まらないものでしょ?
「これ国歌でどうでしょう」というわけにもいかない(笑)。
この年に「君が代」を国歌にすると決まった時も、
国民的な反対があって否決された訳でも無いですし。
それは国民の意識の低さなのかもしれないけど、
国歌とか国旗というのは、自然に少しづつ受け入れられていくものだという事でもあると思うんですよね。
よい悪いは別にして。
問題は政治家だけでなくて、その国の国民が歴史を背負う事をきちんとしてるかどうかだと思うんです。
負の歴史も正の歴史もあると思うし、
そこを背負っていれば「君が代」も「日の丸」もいいと思うんですよ。
過ち多い酷い時代に掲げていたものなら、その責任を背負いもし、
アジアや世界に日本が貢献する時代が来て、
その象徴になるならそれでいいわけで、
象徴よりその国家や国民の言動の方が重要なんですよね。
誰も国歌とは呼んでくれませんけど、
そういう意識であの歌を聴き直してみて下さい。
(省吾談)
これも歌詞こそ無いけれど「硬質な祈りの歌」だったのだ。