アルバム「J・BOY」収録
ライブの導入部にピッタリの省吾らしいロックンロール。
21世紀になってからも披露してくれる機会が多い曲だが、
やはり映像作品「ON THE ROAD 2001」の、
「LET SUMMER ROCK'99」の映像に止めを刺す。
「80年代」縛りの「FFF」でも聴く「チャンス」があれは嬉しい。
(「勝利への道」」の英語タイトルを、「チャンス」とした事について)
「チャンスがあったのに」っていうのは一つのテーマというか、
頭の中にあった事なんですよ。
この国はチャンスがあったはずなのに放棄してしまったんじゃないかって。
(中略)
例えば今回の選挙にしても、汚職した人がトップで当選したりするわけでしょ。
つまり汚職をやってもいいっていうわけだよね。
そういう事を簡単に許してしまう国だっていう事が悲しいし、
残念だなって気がしますね。
(中略)
たとえば毎年8月になると、広島の名のもとに平和が語られる。
でも本当は被害者であると同時に、戦争ってのは加害者でもある訳だから、
東南アジアや中国や色んなところに償っていかなければいけない40年だったわけでしょ。
それだけの経済力があったにもかかわらず、
それを良い方に持っていくチャンスがあったのに、
反対に西側の中に組み込まれていってるって感じるんですよね。
(中略)
日本も、アジアの中で一番豊かになって、
訪米の中でまるで自分が青い目で肌が白いかのようにやってるんだけど、
結局ショーウインドウに映る影は、黒い目をしてるんだよね。
本当はアジアと西側の真ん中に経ってアジアを代表していかなければいけない国なのに、
西側の中にしか組み込まれていくしかないっていうのは、
今回のアルバムのテーマでもありますね。
(省吾談)
「失われた20年」
省吾は「ON THE ROAD 2011」での「J BOY」の歌唱時のMCで、
そんな言葉を口にした。
アルバム「J BOY」の時代から状況は変わらないどころか、
もっと悪くなってると個人的には感じる。
変われる「チャンス」は何度もあったはずなのに。
「2011年」の「災害」でも学んだはずなのに、
この国は「チャンス」をまたも放棄していまった。