訪問記(美脚ママ篇) -4ページ目
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姉の強さ

ここの客層は医者、弁護士、脚本家と設計士等、いわゆるインテリ層が多いらしい。
やはり、経営者のタイプにはそれなりに似た人が寄ってくるのかもしれない。
場違いの人間は私だけのような気がして、質問の声も小さくなってきた。

「でもね、ここまで立ち直れたのはやはり、父母と姉のお陰なのよ」
「え???」
「全てお話するから、あなたの感性で書いて下さい」


世の中捨てる神あれば拾う神ありとはよく聞く話し。
13歳で人生の辛酸をなめたママのそれからは、2年後
に心労が原因で倒れた母親との悲しい別れ。非情な現実を容赦なく突きつけられる。


高校受験を3ヵ月後に控えた寒い日だった。多くの親戚の人が行きかう中
何がなんだかわからないのに、涙だけが次から次へとこみ上げてくるのを今でも鮮明に
覚えているという。葬儀を終えて放心状態の父と自分に比べ、涙一つ見せない
姉の存在に初めてきずいた。


「お姉ちゃん、悲しくないの?」



「ーーーーーーーーーー」
昼は近くの工場の事務員、夜は水商売へと一日フルに働いている姉は
言葉もほとんど交わすことがなくなった。葬儀のことも父に代わって
全部取り仕切り、叔父にもしきりに頭を下げていた。現在を乗り切ることに全力で
余裕もないのであろう。

疲れきっているであろうその体に鞭打って夜の仕事の支度を始めた。
私の方にツカツカ来るなり「父さん、たのむね!?」と
キチッとした口調で家を後にした。

過酷な現実

「十代の女の子には過酷過ぎる現実だったわ」
「・・・・・・・」
「あなたにはわからないわね」
「う~ん、・・・」
「ごめんごめん、こんな重くなっちゃって、ごめんなさい。それより、あなたは
お店のPRのお仕事なんだから、もっと私が何をモットーとしているかとか、サービス
は何とか、そういう事が大事じゃないの?」
「そうです、そうです。・・・・・でも、思い出したくもないかもしれませんが
続きも是非聞いてみたい気もします」


「あなたって不思議な人ね」
「どうして?」
「何か・・・こんな恥ずかしい話をするつもりなんか全然なかったのに」
カウンターからお呼びがかかり、「ちょっと御免なさい」
と言って席を後にした。


私は田舎育ちで、のほほーんとしたところがあって
テンポがのろいとよく言われることがある。そのくせ
切羽詰まると慌ててよくどじを踏む。

せっかちはおふくろ似で、のんびりやは父親譲り。
遺伝子とは恐ろしいものである。
そんなところが警戒心をなくさせるのかもしれない。

環境の激変

家屋敷もすべて他人の手に渡り、母方の親戚のうちに
世話になる事が決まって、いよいよ住み慣れた家を離れるとき
一家4人は言葉もなく涙が止まらなかったそうです。近所の評判も
良かったらしく、特に姉は成績優秀で皆からも好かれて自分も鼻が高かったとか。

それからの環境の激変は経験をした者でないとわからないという。
それまで明るく陽気な姉は人間がまるで変わってしまった。

転校を余儀なくされたママも、中1で負い目を感じながら新しい
環境に向き合っていかなければならない現実に
「何故こんな思いをしなくてはならないの?」

このお店は元々5歳上の姉が経営していたものを手伝っていた

のが始まりで、姉が大学受験の年に事業を経営していた両親が

使用人に使い込みをされ、その結果、郷土を追われ
るという、まさに晴天の霹靂の憂き目にあったことに起因しているという
。、

谷間と太もも


「それで?どのようにお店の事を書いて下さるのかしら?」

接客に一区切りつけて私の隣に来たママはバーボンを注ぎながら
胸元をこちらに向けてこう切り出した。かなり密着度の高い位置どりである。

普通、取材の形態は正面に座るのが殆どなのに、はじめから一歩先制攻撃を受けて
いるようなものである。氷をグラスに入れてマドラーでカラカラ混ぜているとき
に、胸元から見える谷間と、,組んだ太腿にどうしても目がいってしまう。

「いっぱいお客さんがきてくれる様な記事にしてね」
「はい、わかりました。」

美しい脚


ある広告代理店の記事広告を担当していた時のお話。
夜の世界で花を咲かせている小さなクラブ。

日本的な切れ長の目に,どことなく品が漂うママは早稲田卒のインテリ。.


ミニスカートから覗くスラリとした脚は男心を一瞬で虜にするオーラを持つ。
天は二物を与えずと言うがこのママにはあたらない。
アポイントは取れているものの、中々仕事を切り出す気にはなれない。
とりあえずバーボンのロックを飲みながら・・・・・・



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