ヤストがゲーム前から言っていた言葉ですが、

「この多摩川クラシコからフロンターレ来たねって言われるような、シーズンを通してみたら、そういうゲームにしたいなと思います。」

この言葉で思い出されたのは2019年のアウェイの多摩川クラシコです。


2019年は最初の3連覇に挑戦した年でもあり、2018年に圧倒的な強さを誇ったフロンターレには相当期待していましたが、本年よりもひどい立ち上がりとなり、スペイン帰りの久保建英選手が加入したFC東京と開幕戦をホームで引き分けるとそこから4戦勝ち無し。5戦目にしてようやく当時J1に昇格したばかりの松本山雅にアウェイで勝利してというシーズン初めでした。

← 2019年もSUPER CUP(当時はXerox)は、初めて勝った年でもあります。

 

前半戦波に乗れなかったフロンターレが中断前、最後のゲームで臨んだ2019年7月14日のアウェイの多摩川クラシコは、この後の7月19日に開催されたJリーグチャレンジのチェルシーとの1戦を勝利したことも含めて、「さあ、フロンターレが復活の狼煙を上げた、後半巻き返すぞ👊」という雰囲気になり、最高に盛り上がりました。

 

しかし、結果はその後に、再び勝利から見放され(6戦勝ち無し3敗3分け)で結果的にはマリノスに圧倒的な差を付けられた上に、ホーム最終戦では1‐4で敗退し優勝を逃すことになります。等々力では対戦相手、特に下位のチームは勝ちではなくドローを狙って引いてカウンター狙いという戦術に苦しめら、勝ち点を伸ばすことが出来ませんでした。

 

しかし、この時の経験をベースに更に新しいフロンターレを再度、築き上げた結果、20年からの連覇に繋がりました。この時、オンニさんが掲げたのが1試合3点のノルマでした。

 

昨日のゲームは、こうした意味で2019年のアウェイ・多摩川クラシコと酷似していると言えると思います。前回は中断前の最後のゲーム、今回は中断明けの最初のゲーム、そしてこれまでの悪い流れを断ち切りたいという思いの強いゲーム、そしてなんとスコアも3-0と2019年と同じスコアになったので、ますますこれと重ねて見たくなります。

 

2019年は、その翌年にはリーグMVPを獲得することになるダミアン選手が加入した年でもあり、今年のエリソン選手もダミアン選手と同じような活躍を期待せずにはおられません(笑)

 

ただ、冷静にゲームを振り返ってみると、昨日のゲームと2019年のゲームでは大きく違う点もあると思います。2019年のゲームは2018年までの強さを再現、すなわちパスワークと技術力で相手を凌駕して3得点した感がありますが、昨日の3得点は両チームの力の差というよりは運が味方したという感じで、実質的には1-0のゲームだったのかなと観ています。

ご承知の通り、追加点の2点目が入ったのは相手のGKが退場になり、数的優位になった後のことであり、3点目もこの終了間際に決められた2点目にFC東京の張りつめていたものが切れた結果というところもあると思うので、相手を圧倒しての勝利ではなかったと思います。

 

そういう意味において2019年ほどには相手を圧倒することは出来なかったかもしれないのですが、2019年は2018年までのフロンターレサッカーの最後の輝き~ロウソクが消える間際にひときわ大きく輝くあれだったのと思うんですが、今年の勝利は、これからのフロンターレのサッカーの出発点に立ったということが出来る、そんな勝利だったのではないかと思っています。

 

前回のところで、フロンターレらしさとはということをチームはこの2週間で再定義したと書きましたが、それが合ってるのか、もっとそれ以前の所から始めなければならないのか?その試金石だったように思えるのですが、それぞれの選手が自分の特長を活かして、やるべきことをやれた昨日のゲームで、出発としてこれでいいことを証明したのではないかと考えています。そう考えると、これからまだ試行錯誤の日々が続くでしょうが、少なくとも方向性で迷うことは無いのかなと思います。

 

なので、次のマリノス戦はまた一つの正念場ですね(笑)

 

 

では、また。