日本では気温30度を超える猛暑日を14年振りに5月に記録したとのことですが、ここアムステルダムではようやく冬から春の陽気に向かいつつあります。朝晩はまだ冷え込んで、コートやジャンバーが必要ですが、日中はセーター1枚で十分です。それでも、日本とは2ヶ月季節がズレている感じです。
そんなまだ肌寒い、春になりかけの夜にはこのアルバムが聞きたいです。
安全地帯 Ⅳ
Side A
1. 「夢のつづき」
2. 「デリカシー」
3. 「碧い瞳のエリス」
4. 「合言葉」
5. 「こしゃくなTEL.」
SIDE 2
6. 「消えない夜」
7. 「悲しみにさよなら」
8. 「彼女は何かを知っている」
9. 「ガラスのささやき」
10. 「ありふれないで」
アーティストは当然、安全地帯。私の拘っているA面、B面という構成でアルバムというスタイルがぴったりとくる1枚です。特に10曲目の「ありふれないで」が終わるやいなや直ぐに1曲目の「夢のつづき」のエンディングがカットインしてくるところが何とも言えないアレンジだと思います。
このアルバム、安全地帯のアルバムでは最大のヒット作となったことや、後から「大人の音楽~Age Free Music~」の「もう一度聴きたいオリジナルアルバム 80年代&90年代」に選定されたから良いと言っているのではなく、個人的な思い入れがありまして・・・
1986年3月、私にとってはそれが大学生活の始まりでした。この時2年に進級することになってはいましたが、大学1年生は、訳あって大学生活ではなく、受験生生活を送っていました。そんな生活にけりを付けて、改めて大学生生活を始めた時期に、三鷹までバイトの友人を送っていった帰り、終電もなくなり桜が満開の多摩川上水沿いを歩いて武蔵境まで帰ったあの夜が、今の私の出発点だったと思っています。
肌寒くはあっても、コートが必要なほどではなく、真夜中の桜並木を歩きながらwalkmanで聞いていたのが、このアルバムでした。今もこのアルバムを聞くと、人生の新しい出発点に立ったあの時のことが思い出され、今まで何の縁もなかった新しいこの地で生活を始めた今の我が身と重なります。
閑話休題。
このアルバムは全曲共に作詞は松井五郎、作曲は玉置浩二というゴールデンコンビの完成版といえる出来栄えで、歌詞も曲もいいですが、やはり何といっても玉置浩二の歌唱力が秀逸。ホントに上手いの一言に尽きます。
是非、春の宵に1曲ではなく、このアルバム1枚を聞いてみて下さい。
では、また。
