M&A仲介業者の株価が大きく下落しています。
日本の産業を担う無数の中小企業。
そのオーナー社長の高齢化が以前から問題になっており、
さらにオーナー社長の子供などが他の企業に就職する等で
後を継ぐ事を拒否する事例が増えており、
「中小企業の後継問題」が社会問題化して久しいようです。
この問題の解決策の一つとして、政府は M&Aを利用しての
事業の他人への承継を推奨、この為に補助金制度を創設しました。
M&A仲介業者の仲介料を条件次第で最大800万円まで、
かつ最大2/3まで補助金として受け取る事ができるという制度です。
これに目をつけ、M&A仲介を行う業者が雨後の筍のように増え、
補助金の対象として登録された業者数は 3,000を超えるとの事です。
筆者が調べた限り後述の9つの上場企業がM&A仲介業にかなり力を
入れており、内7社はM&A仲介業を単一セグメントとして従事、
あと2社も売上の15~30%をM&A仲介業から得ているようです。
しかし、これら業者は玉石混交のようで、中には素行の悪い業者や
高額な手数料を吹っ掛ける業者もいるらしく、最近はこれらの問題が
話題になっているようです。
朝日新聞デジタルでは5月7日から「M&A仲介の罠」という
連載記事を6日間掲載。
5月30日には日経新聞が「中小M&A、過大な仲介手数料抑止、
経産省が指針改定へ」という記事を掲載。
そして、極めつけは、昨日6月9日のFACTAによる記事
「M&A仲介業者に死刑宣告、自民党が規制の網、
利益相反・高額手数料にメス」という記事でした。
これを受け、翌10日には一部のM&A仲介業者の株価が急落しました。
どれだけ下げたのか?
実際に株価がどう動いたのか見てみましょう。
まずは月足です。
株価の本日の下落率が大きい順に並べています。
9社の内 4社は昨年後半から本年2~3月にかけて急騰したが
3月から急落しています。
1社はこの3年程は上がりっぱなし、4社は下がりっぱなしです。
日足です。
本日の下落率が、4社は7%以上に達し、2社は3%台の下げです。
しかし3社は上昇しています。
上昇した山田コンサルはM&A仲介業からの売上は全体の約3割、
フロンティアMは 15%のみで、これが下げなかった原因かもです。
これら9社のPER、PBR、営業利益は次の通りです。
PER、PBR、営業利益率、どれも M&A総研が突出してます。
ここが本日10日の株価下落率も一番大きいです。
それ以外も営業利益率は結構高く儲かるビジネスである事を伺わせますが、
PER、PBRはそれ程バカ高くはないようです。
以上、株価が下がった機会を捉えて買ってみようと思ってる方が
おられるならば、判断の為の参考情報の一つになれば幸いです。
尚、この記事は投資を推奨するものではありません。
また、数字には筆者の書き間違いや勘違いが含まれているかも
しれない事は予めご了承下さい。
いずれにせよ、投資は自己責任でお願い致します。