3月27日にこのブログで 3月決算の高配当株に
焦点を当てた記事を掲載しました。
この記事は長期投資の視点で書いており、記事の中でも
「短期売買が目的であれば、(配当落ちを考えると)
権利確定日の前後でも普段の売買と状況はあまり変わらず、
配当を意識する必要はあまりないのかな」と記載しました。
では、もし短期売買目的で買っていたらどうだったか?
リストアップした企業 85社の決算が5/18に出揃ったので、
この機会にこれら 85社の配当はどうだったか?
もし記事の時の株価(3/24終値)で買って、決算が
出揃った翌日(5/19終値)に売ってたら儲かっていたか?
を、検証したいと思います。
尚、3/27の記事では長期保有視点で書いたので配当利回りは
1年間持ってる前提、即ち中間配当実績と期末配当予想の
合計を株価で割って算出してましたが、今回は
「3月末に買って5月中旬に売ったらどうだったか?」
という短期視点なので、該当期間に権利が発生する
期末配当だけで利回りを算出しています。
(1) 2023/3期末配当は予定通りだったか?
85社中、
・予定よりも増額; 23社(全体の27%)
・予定通り; 58社(68%)
・予定よりも減額; 4社( 5%)
「配当取り」という目的は、予定通り以上に
取れたようです。
(2) 3/24から株価は上昇したか?
85社中、
・上昇; 36社(全体の42%)
・下落; 48社(56%)
・変わらず; 1社( 1%)
やはり配当落ちの影響は大きいようで、半分以上の銘柄が
株価を落としましたが、4割以上の銘柄は株価を上げており、
こういう銘柄を上手く選べば、配当と売買益とを
両方取れる美味しい結果になったようです。
(3) 株価上昇/下落を分けたポイントは何か?
次期(2024/3期)の配当見通しがどうなるかを
見てみました。
・増配見通しは23社、内、株価が上昇したのは21社(91%)
・配当額を変えないのは21社、内、上昇は10社(48%]
・減配見通しは27社、内、上昇は僅か2社( 7%)
・配当未定は14社、内、上昇は3社(21%)
次期配当がどうなるか?により株価に差がついている様です。
(4) 結局、儲かったのか?
仮に3/24の終値で買い、5/19の終値で売った場合、
想定通りかそれ以上の配当をもらえ、売買益も取れた銘柄は
全部で34社(全体の40%)。
配当利回りと株価の上げ幅の合計の利回りは、
・20%超が5社(全体の 6%)
・10〜20%が15社(18%)
・5〜10%が14社(16%)
・5%未満が24社(28%)
・結局損したのが27社(32%)
全体の2/3以上はなんとか利益を産めた格好です。
この間、日経平均は 12.5%上昇しており、それ以上の
利回りを取れたのは 85銘柄中 13銘柄、全体の 15%です。
銘柄選択が上手くいけば大きな利益を得られるが、
全体で見れば日経平均に負けた銘柄が多かったようです。
こう考えると。配当取りを狙った短期売買は
あまり効率の良いものではなく、やはり高配当銘柄は
長期的に持つのがいいのかもです。
今回、スタートが3/24で権利確定日直前だったので、
既に配当取りの買いが入って株価が上がった後だった、
という事かもしれません。その場合、スタートをもっと
早めれば結果は違ったかもしれません。
いずれにせよ、今回の結果は一つのデータとして
残しておきたいと思います。
最後に、これら85銘柄を
「2023/3期末配当は予想通りだったか?」
「2024/3期(次期)の配当は増えるかどうか」
の2つの視点で分類し、その分類毎に、銘柄別の結果を
載せておきます。
青い色は利回りが日経平均の上昇幅を上回った銘柄です。
① 予想を上回り、かつ次期は増配;
② 予想を上回り、次期も同額;
③ 予想を上回り、次期は減配;
④ 予想通りで、次期は増配;
⑤ 予想通りで、次期も同額;
⑥ 予想通りで、次期は減配;
⑦ 予想通りで、次期は未定;
⑧ 予想を下回り、次期は未定;
尚、上記には、筆者のインプットミスや計算ミスなどがあるかもです。
実際に投資される場合はご自分でチェックの上、自己責任で
行うよう、お願いします。
以上です。