MZDAOに思う事 | 投資家リプリーの気まぐれブログ

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株式投資に関して気になった事、調べた事などを気まぐれにアップしていきます。

ZOZO創業者の前澤さんが始めようとしているMZDAO,

7/30に初期メンバー募集を開始、8/1朝の時点で登録が

13万人を突破したそうです。

 

さすが、前澤さんですね。

 

私の昔の勤務先では「若手主導(とか女性主導とか)で

上下関係の無いフラットな組織を作り、新規事業を

立ち上げよう」という試みが何度となく行われました。

殆どの場合が正式な組織ではなく「タスクフォース」という形態

(メンバーは各々の部署で通常業務をこなしながら、

定期的に集まって議論したり空いてる時間に作業したりする)、

或いは、正式な組織ではあるが専任者は1〜2名で、他は全員

他の部署との兼務という形態でした。

 

今回のMZDAOとは規模やメンバーの背景などが全く異なりますが、

「フラットな組織でメンバーが(多分)他の仕事や学業に勤しみながら参加」

という点が似ていると思います。

 

私は何度となくメンバーとして参加、或いは専任者としてきりもりした

経験があるので、その時の問題点と教訓、参加する人への注意事項などを

記載したいと思います。

 

(1) よく起きた問題;

 

 ① 多数の人が議論に参加する事で色んな意見が出るという利点はあるが、

  合議制である事もありなかなか意見が纏まらない。

  → 進行役的な人がいないと話が進まない(前澤さん?)

 

 ② 事前に研究とかせずに議論の時だけ参加して思いつきで意見を言う人が

  結構いる(そういう意見は底が浅い事が多く結構邪魔。きちんとデータを

  揃えて反論する、という事で時間を取られる。だがたまに目から鱗の

  意見が出る事もあるので無視できない)。

  → 意見の根拠を検証する役割を担う人が必要(本業を抱えていると

   これは結構厳しい。本件に多大な時間を割くならば応分の報酬が必要)

 

 ③ 自分の意見に固執し、通らなかったらヘソを曲げる人が出てくる。

  → 参加者には他人の意見を聴いて咀嚼する能力/度量が求められる。

   これができない人は進行の阻害要因になる可能性が高い。

 

 ④ 最初は皆んなやる気で議論も盛り上がるが、だんだん飽きてくる。

  特に本業が忙しくなると幽霊部員が出始め、幽霊部員は時と共に

  増えていく。

  → 特に、議論に進展が見られないとこうなっていく。

   推進役が議論を取り纏め、次の課題を決め、その課題を

   誰が担っていつまでに解を出すか… を決めて進めていく事が望ましい。

 

 MZDAO関係者の方々の参考になるかどうか判りませんし、そんな事は

 判りきっていると言われるかもしれませんが、取り敢えず記載しておきます。

 

 

(2) 参加する人への注意事項;

 

 (a) 自分の意見が通らなかったらヘソを曲げる人は、この様な組織には

  不向きなので、参加されない方が良いです。

  → 自分の意見に反論されたらすぐ引き下がれ、という事ではありません。

   反論されたら兎に角キレる様な人は向いてない、と言っています。

   反論した相手の意見を聞き、咀嚼し、それを踏まえて更なる対案を出す、

   というアプローチができる人は、向いていると思います。

 

 (b)MZDAOの大まかな流れは以下の通り;

  ① どのような事業を作っていくか決定

  ② 事業を運営していく会社やチームを組成

  ③ 意思決定や判断が必要になるタイミングで、

   アンケートなどを通してみなさんの意見を集約

  ④ 事業開始

  ⑤ 事業が利益を生み出す

 

  この流れで参加者が報酬を受け取れる可能性があるのは

  以下の2つのケースのようです:

 

  (ア) ②と③で何か貢献した場合、貢献度に応じた報酬;

   → 参加者が払う月500円の会費を集めたものがこの原資です。

    報酬の合計が原資の合計を超えるはずもなく、報酬の多寡は

    貢献度によって異なります。

    即ち、相当大きな貢献(例えば上述の進行役や検証や運営など)が

    なければ、各参加者がこの段階で得られる報酬は各参加者が

    それまでに払った会費よりずっと小さいと予想されます。

 

  (イ) 事業が⑤の段階まで進み、利益が出始めた場合の利益の分配;

   → この段階まで来るのにどれだけ時間が掛かるか判りませんが、

    その間は、参加者は月500円、年間6千円の会費を払い続ける

    事になります。

    例えば1年で⑤に辿りつければ、参加者の先行投資は6千円。

    5年かかれば3万円です。

    ずっと我慢して払い続けるのか?いつまで我慢するか?

    この点は参加する前に覚悟を決めておいた方がいいですね。

 

  参加する方は、上記のような事は認識しておくべきだと思います。

  後で思ったようにお金がもらえなくて文句を言うのは、筋違いです。

 

 

話は変わりますが、中古車のオークションを運営するUSSという企業があります。

ここの圧倒的な強みは、

① 年間300万台近い中古車が出品される

 → 沢山出品されるので、買いたい業者が集まる。

② 48,000社の会員が、中古車を買いに集まる。

 → 買いにくる業者が多いので、出品車両も集まる。

 

逆に、新規にオークション事業を始めようとすると、最初にぶち当たる壁は

① 出品車両が集まらないから、買いにくる業者もあまり来ない。

② 買いにくる業者が少ないから、出品車両も集まらない。

… 出だしからデッドロックです。

 

MZDAOの場合、既に13万人以上のメンバーがいる事は大きな強みです。

一般消費者を対象とした商材や仕組みであれば上記の「出だしでパイが

集まらない」という問題は解決できそうです。

こういう強みを活かせる事業を始められればいいんじゃないかと思います。

 

以上、勝手な意見を書かせて頂きました。

参考にされる方が少しでもおられれば、幸いです。

尚、私自身は、もう旧世代の人間であり、経験豊富ですがこの経験が

逆に若い人の自由な発想を阻害するような事があったらまずいので、

参加しません。

 

参加者の夢が実現できるような事業を組成される事をお祈り致します。