米国の株式市場に大きな影響を与える米政策金利。
テーパリング(量的緩和の縮小)が始まった今、「Fedがいつ利上げを決めるか」が
市場関係者の関心事になっている中、トップのパウエル議長が来年2月に任期満了と
なる為、続投か、別の人になるか、が注目されています。
ところでFedって何?
FRBとどう違うの?
以下に纏めました。
Fedとは「Federal Reserve System」の略、日本語訳は「連邦準備制度」
米国の中央銀行、日本では日銀に相当します。
Fedは3つの組織からなります:
① Board of Governors (連邦準備制度理事会)
Fedの中枢で、この略称がFRBです。
7人の理事からなり、議長がパウエルさんで任期4年、来年2月に任期満了です。
② Federal Reserve Bank (連邦準備銀行)
全米に12あり、中銀の役割の一部を担います。場所は下の地図の通り。
ややこしい事にここもFRBと略されますが、通常はNew York FRBという風に
地名付きで称されます。日本語では「連銀」と称される事が多いようです。
③ Federal Open Market Committee (連邦公開市場委員会)
これがFOMCで、政策金利の誘導目標などの金融政策を決定する会合です。
①の7人の理事と、②のニューヨーク連銀を含めた5つの連銀の総裁との計12人で
構成され、年8回開催されます。
12連銀所在地;
米国の銀行は連銀に無利息で準備預金を預けねばなりませんが、過不足がある場合に
銀行間で資金を融通します。その際の金利がFederal Funds Rate (FF金利)と呼ばれます。
FOMCで決定しているのがこのFF金利の誘導目標で、これを一般的に「政策金利」
などと称しているようです。
このFF金利は先物市場がシカゴ商品取引所に上場されており、その数値から市場が
今後のFF金利見通しをどの様に見ているかが逆算できます。
その見通しは「CME FedWatch」というサイトで公開されています。
https://www.cmegroup.com/trading/interest-rates/countdown-to-fomc.html
本日、11/21時点で、市場は利上げのタイミングを以下の通り見ている様です。
横軸はFOMCの開催日、青色が現状のFF金利です。
市場参加者全員が12月のFOMCではFF金利は現状維持、1月、3月、5月のFOMCでも
過半数の人が現状維持と見込み、6月のFOMCでは過半数が利上げを見込んでいる様です。
この見通しがずれていくと米国株式市場にも影響を与えていき、日本市場にも
少なからぬ影響が出ると考えられます。
時々このサイトを参照し、動きを把握しておくのも良いのではないかと思います。
以上です。
尚、下の商品は連邦準備制度理事会とは一切関係ありません。