はじめに

9月は週末に文化祭があったりと、イレギュラーがありました。

そういったことが起こるとすぐに更新が滞ってしまいますね。。。

すみません。

 

今日は、最近読んだ論文について簡単に書いていきたいと思います。

 

  論文紹介

今回書くのは、以下の論文についてです。

 

Ishihara, N. (2024). Fostering a translingual framework in teacher education focused on pragmatics: Identity and the multilingual turn in pragmatics pedagogy. System, 125, 103457. https://doi.org/10.1016/j.system.2024.103457

 

この論文は、教員養成におけるpragmatics(語用論)の指導の中で、いかにしてtranslanguagingを取り入れていくかということを、このグローバル時代に照らしながら考えていくというものです。

 

この論文の中で僕が特に好きだった部分は、著者自身の教員養成における実践の紹介があったこと、そして3つの具体的な方法の提案がなされていたことです。

 

著者自身の教員養成における実践は、translanguagingにまつわる基礎知識を教え、そして受講者自身のtranslanguagingや異文化交流経験について振り返りをさせたようです。最終的に、受講者はイディオムを用いてtranslanguagingを絡めながらpragmaticsを教えるレッスンプランを書きました。

イディオムを通じて自分の母語と多言語を比べることは、とても面白いtranslanguagingの内容になると思いました。

僕はこのブログで、translanguagingを考えるためにオノマトペを取り入れたらどうかと提案してきましたが(この記事など)、似たような効果が得られていると感じました。

 

 

また、pragmaticsを教える中でtranslanguagingを取り入れていく3つの具体的な方法は、

 

①指導者によるモデリング、

②複言語使用者がいかにしてtranslanguagingをしているかに関するmetapragmatic awareness(pragmaticsに関する気づき)を高めること、

③translanguagingを通じてpragmaticsの指導をすること

 

があげられていました。①は指導者が意図的にpragmatic translanguagingを示すこと、②は談話分析などを通じて言語使用のリアルに気づくこと、③は指導者のtranslanguagingから学習者が自然に学ぶことといえると思います。

 

このようにして、pragmaticsの指導の中にtranslanguagingを絡め、pramgatic translanguagingを可能にさせることをこの論文では提唱しています。

 

 

  まとめ

pragmaticsやtranslanguagingについてよくわからないという人も、このグローバル時代・多様性の時代において、様々な言語が尊重されていくというのは想像にたやすいと思います。

 

だとすると、外国語として英語を学ぶ/教えることが多い日本ですが、その英語学習・教育の中であっても、日本語や他の言語も尊重されていくべきでしょう。

 

その一つの取り組みとして、この論文にもあったようにイディオムを扱うのもいいですし、僕が考えるようにオノマトペを扱ってみてもいいと思います。

 

おそらく学習者も楽しめるネタですので、あまり深く考えなくても取り入れてみるといいのではないでしょうか。

 

それにしても、英語学習・教育の進歩はめざましいですね!