はじめに

なんと、1ヶ月半位更新が滞ってしまいました。。。

7月頭は期末考査、職場でも色々とあって頭痛の日々泣、それからは海外旅行、そしてオリンピックと、大変なことと楽しいことが多すぎて更新できませんでした。。。すみません。

 

残念ながらバスケ日本代表は男女とも負けてしまったので、これからもう少し真面目に更新できると思います。笑

ちなみに、以下が私の趣味ブログです↓(「お笑い」とありますが、最近はもっぱらバスケですね笑)

 

 

 

さて、今回の投稿では、最近読んだ論文を紹介したいと思います。

 

Treffers-Daller, J. (2024). Translanguaging: What is it besides smoke and mirrors? Linguistic Approaches to Bilingualism.https://www.jbe-platform.com/content/journals/10.1075/lab.24015.tre

 

 

示唆に富んだ刺激的な論文でした!早速見ていきましょう。

 

  translanguagingの乱用

この論文の趣旨を端的にまとめると、「最近みんな何かにつけてtranslanguagingっていうけど、別に新しいことでもないし、ちゃんと定義して使ってよね!」という「忠告」のような論文です笑。

 

たとえば、以下のような指摘です。

  • code-switchingとどう違うの?
  • translanguaging space ってなんなのさ?
  • 〜ってただの翻訳じゃない?
  • 結局、言語間の違いを意識して、A言語とB言語のようにわけてない?
  • 定義をあえてぼやかして、なんでもありって感じにしてない?
  • 研究者も、code-switchingっていうよりキャッチーだからtranslanguagingってよぶことにしちゃってない?
  • 本当に、translanguagingって誰にでも有益なの?
  • ってか有益だって根拠は何?

こんな感じでしょうか。ちょっと記憶に頼りながら書いているので、間違っているところもあるかもしれませんが。

 

いやあ、刺激的ですよね笑

でもこういう意見があってこそ、研究っていうものは進んでいくのだと思いますので、とても重要な意見だと思っています。

 

確かに、「translanguagningの乱用」は、僕も感じるところがあります。

たとえば、この論文でも書いてあったように、「辞書を使って調べる」なんてのはずっと昔からやられていて、translanguagingではないように思います(まあ、広義ではtranslanguagingとも言えるのでしょうが、、、)。

 

他の例では、このブログでも書いてきたように(たとえばこの記事)、オールイングリッシュか日本語を使っても「良いか」といった話ではないと思うのですが(元々はオールイングリッシュに対するアンチテーゼだったとしても)、特に日本の英語教育系の「論文」ではこのような論調が見られます。

英語の授業で日本語を使ったからtranslanguaging、というわけではなく、やはりそこに「意味創出」という「目的」があってこそなのではないかと思います。

 

まあ、この僕の主張も突っ込みどころはあるのですが、少なくともただ複数言語を往還していたらtranslanguagingというような、浅はかな使い方(=乱用)はやめたほうがいいですし、僕自身も定義についてもう少し考えていきたいと思いました。

 

これまでのブログでも、「利き手のアナロジー」「言語接触」「障害」「方言」などとの関連で分析しています。広げすぎと言えば広げすぎなのですが笑、安易にtranslanguagingを捉えていないことはおわかりいただけると思います。

 

  おわりに

今流行りの概念であるtranslanguagingについて、苦言を呈するような内容でしたが、とても示唆に富んだ面白い論文でした。

非常に細かく論を組み立てられていたので、もっと詳しく知りたい方はぜひ読んでみてください!

 

最後に、僕からも一つ流行の概念について疑問を…笑

engagementって、そんなに新しい考え方ですか?

 

motivationとどう違うのでしょうか?日本語で言えば、「やる気」「集中」「熱中」あたりでしょうか?

motivationとは少し違いそうなのはわかるのですが。

「エンゲージメント」なんて言葉を使わずに、日本語で言えばいいように思ってしまいます。

そしてできれば、yarukiのように日本語の概念をむしろ世界に発信して欲しいです。

engagementはinvolvementともいえてしまうときもありそうだし、engage in のように動詞で済んじゃいそうな概念な気もします。

 

研究者の方には怒られるかもしれませんが、概念を見直すのは悪いことではないと思いますので、他の言葉で言えないか(できれば日本語で)検討してみて欲しいです。