西日本豪雨ではの200人を超える犠牲者がでてしまいまいた。
なんとか脱出できた方や救助された方の話をニュースなどで見ましたが、みなさん口々に「こんなになるとは思わなかった」「ここは大丈夫だと思った」「甘く見ていた」などと仰ってます。
こういった心理あるいは行動には『正常性バイアス』がかかっていたと思われます。
『正常性バイアス』・・・これは心理学用語で、わかりやすく言うと、例えば大きな災害などに見舞われたときに、「こんなのたいしたことないよ」とか「自分は大丈夫」「ここは大丈夫」などとなんの根拠もない思い込みをして、避難もせず家の中にとどまったり、あえて普段通りの生活をしようとしてしまう心理のことです。
突発的に非日常的な事態が起きると、誰しもがそれを認めたくないという心理が心のどこかに無意識に生まれてしまうものです。
認めたくないからあえて日常と変わらぬ行動をして心を落ち着かせようとする。いわば予期しない事態に遭遇したときの心の条件反射みたいなものなのですが、これが非常に危険な心理なのです。
地震、津波、水害、火山・・・大きな災害があったときに逃げ遅れた人の心理にはこの「正常性バイアス」がかかっていたと言われています。
(もちろん、すぐさま避難行動を起こしたにもかかわらず逃げ遅れた人もいるわけですが。。。)
かくいう私も、311のときにはそんな心理が働いて、非常時にとるべき行動じゃなく、できるだけ日常的な行動をとろうとしていたような気がします。こんなですから津波の浸水域にいたら命を落としていたかもしれません。。。
とはいえ、「正常性バイアス」から逃れるのもなかなか難しものです。
そこでお勧めしたいのが、近所に避難所が開設されたらまずそこへ行ってみることです。
例えすぐに避難しなくてもよさそうな状況であったとしても、まずは避難所に行ってみると、避難所独特の緊張感から否応なく頭が非常事態モードに切り替わります。
その反面、自分と同じように避難してる人が周りにいれば安心しますし、消防や行政の担当者がいれば心強いですし、なによりも情報が入りやすいです。
避難所って行ったことないし、なんか行きづらいって思う方もいるかもしれませんが、被災してようがしてまいが基本的に出入り自由ですから、まずは行ってみることです。
私も311のときは、夜になってからですが避難所に行ってみて「ああ、これは本当に大変なことになった」と改めて実感して、しばらく日常は戻らないという現実を受け入れて覚悟を決めた覚えがあります。
避難所にいると、ただボーっとしてるだけでも周りの話声から情報も入ってきますしね。
日本は災害多すぎです。
もはや日本中どこに住んでいても自然災害からは逃れられないでしょう。ここは大丈夫なんて場所はないです。
このブログを読んでくださってる方のお住いの地域も、いつ災害に襲われるかわかりません。明日は我が身です。
これまで経験のないような大きな災害に見舞われたとき、「正常性バイアス」だけじゃなく、どうしていいのか分からないという心理にもなると思います。
そんなとき、可能であれば是非避難所に行ってみてください。情報収集だけでもいいと思います。心待ちが変わります。
その後とくになんも被害がなかったとしても、それはそれでいいじゃないですか。何かを失うわけじゃないし。
災害時に家の中にどんと居座って「大丈夫、大丈夫」などと言ってる人は肝が据わった人じゃないですよ。むしろ小心者だと思います。
自然災害から身を守る第一歩は、現実を受け入れること。
だと思います。
