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群馬県中之条町の折田層から採集したエビ化石です。魚類と違いエビの化石の産出はかなり少ないそうですが何とかここまで集める事が出来ました!1500万年前のここが海だった事を示す重要な化石です。
上から順に見ていきましょう。
1.
断片を合わせて3体確認できます。3体ともタラバエビ科の一種です。ここの地層は単体で産出する事が殆どで密集してエビが産出したものはこれだけです。
またこの地層から一匹を除き、産出したエビの種類はすべてタラバエビ科のものです。タラバエビ科はコエビ下目に属するエビの分類群の1つで、ホッコクアカエビ、ホッカイエビ、ボタンエビ、トヤマエビなどが分類されるそうです。

2.
角が特徴的なエビ化石です。ボタンエビだと思われます。完全体に近いですが尻尾と十脚類特有の脚が確認できません…(^_^;)

3.
これは明らかな断片化石ですね。胴体の半分といったところでしょうか?

4.
尻尾が折れ曲がってるかな?
頭と脚2本は確認出来ます。

5.
これは明らかな完全体です。
去年の9月に採取したので記憶に新しいです。上手くタガネを入れて層理に平行に割ることが出来たので状態の良いエビ化石が現れました!

6.
この化石は地表に出てたエビです。それもあってかあまり状態が良くないです。尻尾はちゃんと分かりますが頭が無いですね。

7.
これも5.と同じ日に採取したエビ化石です。
5のエビの左隣りに居ました。
こんな感じに(^^)

8.
これも完全体です。
これも去年の9月に採取したエビです。
尻尾がとても綺麗に残っていて驚きました、自分が採集したエビの中で最も尻尾が綺麗に保存されてる標本です。

9.
これは姿、形からホッコクアカエビだと思われます。見つけた時は化石と分からず割ってしまい何とか破片を見つけてくっ付けたエビ化石です。

10.
最良品の1つタラバエビ科のボタンエビと思われる化石です。欠損しやすい脚が何本も残っており保存状態はとても良好です。

11.
これは…タラバエビ科ではないですね!冒頭らへんで言った除いた一匹、おそらくクルマエビ科の一種と思われる貴重な化石です。
お腹部分がクリーニング中に欠けてしまったのが悔やまれますがとても気に入ってる最良品の1つです。
因みに10.で紹介したエビと同じ日に発見しました。2体も完全体が出るなんてとてもラッキーな日だったのを覚えています。

12.
こちらはタラバエビ科の一種ですね。かなり断片ですが頭のトゲトゲの部分や脚、胴体の一部からかなり大きな個体だったと考えられます。勿体ないですね。

13.


標本をどこに閉まったか見つけられず冒頭の集合写真には載せられなかったエビ化石です。頭の部分は確認出来ますが胴体から尻尾までが折れてしまっているのかよく分からない化石です。
以上が細かな破片を除いた折田層のエビ化石達です。なかなか収集するのは難しいですね。
折田層は魚類のサバ化石が大量に産出した有名産地ですがエビの化石は冒頭でも言ったようにかなり少ないようです。ただ魚化石を産出する層を掘っていったらエビの化石ばかりが出る層に変わった部分がありました。今回紹介したエビ化石はその層から得られたものが多いです。
最近、他の方も折田層に発掘に来ているようですが良い化石が採れたでしょうか?
また保存の良いエビ化石が採れるといいですね(^^)

ではまた!

産地.群馬県中之条町折田
時代.新生代 新第三紀 中新世
地層.折田層