こころの色…  ~love you, so "Nice Smile"

こころの色…  ~love you, so "Nice Smile"

はじめまして。
とうとう、ブログを始めることにしました‼️

アークエンジェル、始動します。

地球がわたしにくれたもの...
アルスからこんにちは!

 

  第三章 羽根のない天使

 

青やピンクの壁、黄色い屋根、オレンジ色と青草色。カラフルな色が溶合い、彩やかにまとめられた街並。それでいて、壁や建物には目障りな装飾はなく、すっきりとした質素な趣き。街全体を支配している空は、彼本来の顔を取り戻し、柔らかな陽光が澄んだ空気を照らしている。

 

オーディルとパブリロが歩き続けた挙句、迷いこんだ次の街は、ひっそりと閑かな雰囲気を漂わせていた。前に居た世界とどこか似かよってる匂い。心地よい高揚感。至福の味わい。まるで砂漠に見つけたオアシスのように、二人の心を和ませ、落ち着かせてくれる小鳥のさえずり。

 

二人は<CLERAUS>という立て札のそばを抜けて、街路に立ち尽くし、何とも言えない喜びに浸っていた。もう遠い昔に忘れていた懐かしい感覚に心を預けていた。

 

この静かな空気にふさわしく、人々は穏やかに行き交い、常に笑顔を携えている。

 

両手に荷物をかかえた老婆、そのひとつを持ってあげる青年。

家の中から飛びだしてくる女の子、抱きしめる母親。

口笛を吹きながらガムを噛む男、擦れ違うしとやかな女性。

空高く舞い上がった風船を見上げる男の子、手をひく父親。

肩を抱きながら歩くマッスルボーイ、本を片手にメガネを挙げるメンタルボーイ。

ミルクを回し飲みする若いカップル。

ふざけて走り回る子供たち、ベンチに座って陽光を浴びる老人。

 

小さな平穏が寄り添って、大きな安らぎが溢れている。

二人はどちらからともなく歩を進めた。何に従うでもなく、心のおもむくままに建物を縫っていく。

 

小さくまとまった街並がささやかな幸福を感じさせ、手の中にいるような暖かさが一段と身にしみる。厳しい寒さから逃れ炎のぬくもりに酔いしれるかのように、夕日に照らされた海原のように、心を温かくしてくれる空間に顔をほころばせる二人。

 

そのとき、にわかに笑顔を取戻しつつある彼らの耳に何処からともなく綺麗なサウンドが流れてきた。

 

ふわっとした柔らかなシルクの音色が、透明感のある澄んだ水色の声が、地面に染みこむ雨水のようにジワリジワリと辺りを包みこんで優しく覆いかぶさる。真夜中のようなはりつめた静寂をより一層引き立たせる音の重なり。何の邪魔だてもなく耳に入ってくるメロディーが、破れたハートに鋭角に滑りこんで全身が釘付けになる。

 

二人は天使のような調べに誘惑されて、催眠術にかかったかのように音源へと向う。

 

真っ白いテラスに一人、眼を閉じて自分がつくりだす音色に陶酔している老人。クラシックギターを弾く指先からこぼれる音に合わせて歌っている。

 

 青い空にひこうき雲

 それは希望の足あと

 真っ白い月をかすめた夢は

 夜空に散らばり

 人の心に舞い降りる

 

 鋭く先の尖ったナイフで

 青い空を切りさくと

 そこはパラダイス

 法も秩序もない自由な空間

 その領域に足を踏みいれた少年の夢は

 オレンジ色の星になること

 

次に続く