こころの色…  ~love you, so "Nice Smile"

こころの色…  ~love you, so "Nice Smile"

はじめまして。
とうとう、ブログを始めることにしました‼️

アークエンジェル、始動します。

地球がわたしにくれたもの...
アルスからこんにちは!

 

オーディルとパブリロは、フカフカのベッドに横になっていた。すやすやと眠っているパブリロ。相当疲れていたのだろう。久しぶりの暖かさに気持ち良く寝入っている。オーディルは、パブリロの寝顔を眺めながら、先程の語らいを思い出していた。いかしたギタリストの言葉を・・。

 

 

そうだ。自分の中から湧き出る水に素直に従って進めばいいんだ。愛や幸はその延長線にあるような気がする。失敗や成功もすべて自分で自由に選択することができる。そのあとで、たくさんの教訓が得られるんだ。ぼくたちは自分が欲するどんな人生を選択しようと自由だし、そうすればあらゆる経験から教訓を学んで本当の自分を見付けられるんだ。

 

自分の価値観も探しだせる。

 

生きてる意味も掴める。

 

ただただ、自分自身の想いや直感に従って自分らしく生きていくことだ。孤独や他人と違うことを恐れてはいけない。人は自分と違って当然なんだ、別の個体なんだから。

 

見栄を張らず、妬まず、そのまま等身大の自分を見せること、それが自分の存在価値なんだ。

 

ぼくは今から、自分を探す長い旅に出かけなきゃ・・。

 

 

彼は眠りに落ちた。永遠の旅路に誓いをたてて・・・。

 

     **

 

オーディルは夢を見ていた。ぐっすりと眠っている自分の夢を・・。

 

何か得体の知れない衝動がぼくを揺さぶる。夢の中のぼくは目覚めてベッドから起き上がった。廊下を抜けてテラスに出る。コーヒーカップを片手に、音を忘れた音楽家が朝の光と戯れている。ぼくは、彼に声をかけた。

 

“おはよう。”

 

彼はふり向いて、ニコリと微笑んでぼくを促す。ぼくは椅子に座って彼が用意してくれたコーヒーを啜った。彼の眼はぼくを見つめている。その瞳の中に写るぼくも、ぼくを見つめている。ぼくは、瞳の中のぼくに、

 

“ありがとう。ぼくは、ぼく自身の世界を探してみるよ。”

 

と言った。

 

瞳の中のぼくと一緒に老いたギタリストも軽くうなずいてこう言った

 

“生きるとは、君が生まれる前から既に知っていたことを、ひとつ一つ経験していくことなんだ。”

 

今度はぼくが肯く番だ。それから、ぼくはもう一度コーヒーカップに口をつけた。琥珀色の苦みが口内に広がる。そしてぼくが話し掛けようと顔をあげてみると、そこには彼の姿はなかった。瞳に写ったぼくの姿もなかった。

 

代わりに青く短い草が一面に敷き詰められた小高い丘が腰を下ろし、丘の頂上には大きな樹が一本、根を下ろしていた。朝靄のなかの丘と樹。空は朝の香りを漂わせ、柔らかな陽射しが辺りを包む。最も単純明快な視界、さりげない美しさ。

 

夢の中のぼくは小高い丘を登っていく。大きな樹のたもとうっすらと木漏れ日が出来ている。ぼくはその場に立ち尽くして目の前の光景を眺めていた。どこからともなく音楽が流れてくる。昨晩、音楽家が最後に奏でた曲が・・・。

 

 

 破れた赤い風船

 見つめている少年のハート

 喚きたてるスピーカーズコーナー

 血管の浮きでたハゲ面

 

 一刻もはやく時間のない国へ行こうよ

 ストリートを駆けぬけ自由の国へさ

 俺に付いてこいよ 誰だってかまわない

 野性的な心の持ち主なら大カンゲイさ

 

 

夢の中のぼくは、ぼんやりと耳を傾けている。自分の心を開いていろんな事を訊いてみたい。ぼくは何者なのか、何のためにここにいるのかを。

 

・・・・・・・

 

 

 自分の心を透かしてみろよ

 真実がつまってるお前のハート

 薄汚れた箱を開けてみな

 羽のない天使が飛び出してくるぜ

 

 

曲が消えると同時に視界が黄色くぼやけて、忽然と扉が現れた。白、黒、グレーの三枚の扉。前の世界からここに来るときも扉があった。今、目の前にあるのとは違って、カラフルな扉が・・・

 

ぼくはモノトーンの三枚の扉のうち白い扉を選んだ。中には上に続く階段が据えてある。この扉でいいのかな。別の扉を選べば、別の世界に行けるんじゃないのかな。

 

“薄汚れた箱を開けてみな

 羽のない天使が飛び出してくるぜ

 

あの曲の最後のフレーズが引っかかる。ぼくの天使はどの扉にいるんだろう。

 

ぼくは静々と白い扉を閉じてグレーの扉を引き開けた。下へ向かうなだらかな階段。幅が広く設けてある。ぼくは意を決してその階段へと踏み出した。一段一段、ゆっくりと下りていく。背後で扉が閉まる音。振り返ったが、もう扉の姿は跡形もなく消えていた。

 

ぼくは、さらに階下へ下りていった。

 

次回へ続く