秋葉原。中央通りり一本裏の道。夕方、ある時間だけ。
メイド姿のおねえちゃんがずらりと並んでいる。
「メイドカフェ」とか「コンセプトカフェ(コンカフェ)」と言うらしいが、
そこに務める女の子たちだ。
みんな黙って、店を紹介するボードを持ち、無言で立っている。
女の子たちやスーツ男が立ち並ぶ様子はほかの盛り場でもみられる。
でも。秋葉原だけは「メイド」だけが並んでいる。
秋葉原のメイドカフェは、2001年に開業した「CURE MAID CAFE(キュアメイドカフェ)」がはじまりとされている。
ウェイトレスがメイド姿で接客し、評判になった。
いまやおなじみの「ご主人様」と呼ぶ接客スタイルや、「萌え萌えキュンキュン」のせりふ回しは、
2004年開業の「@ほぉ〜むカフェ」からと言われている。
秋葉原のメイドカフェは、ファンによる調査では、2011年末の時点で132店とある。
10年で、開店した店の半数が閉店しているともいわれる。
飲食店は原価率が2割と言われるが、メイドカフェはそのメイドの数と質次第であり、
人件費が嵩み、その結果、浮き沈みが激しい業界になっているようだ。
とはいうものの、メイドカフェニーズは高く、
いまや日本中どころか、アジア各国、アメリカ、フランスにも広がっている。
もはやブームではなく、変容、進化を続ける新文化になったといえる。
問題は、客引きだ。
風俗営業法や都道府県の迷惑防止条例で規制されている。
風俗営業とは「キヤバレー、待合、料理店、カフェその他設備を設けて客の接待をして客に遊興又は飲食をさせる営業」とされている。客引き行動とは、「公共の場所において、不特定の者に対し、人の身体又は衣服をとらえ、所持品を取りあげ、進路に立ちふさがり、身辺につきまとう等執ように客引きをすること」とされている。
実際、秋葉原に限らず、どの盛り場に行っても、勧誘役の女の子、男の子たちは、黙って、案内だけを持ち、無言で立っている人が多い。違反が見つかれば営業停止にまでいってしまうのでさすがに慎重だ。なかには、「執拗に」客引きし警察官に連れていかれる者もいるが。
ただし。異様なのだ。
女の子たちがずらりと並ぶ景色が。