暗渠という言葉がある。あんきょと読む。

蓋がされたどぶのことだ。

街を徘徊しているとよくわかるが、実は、あちこちにある。

元は小川だったり、住宅街の生活排水路だったり。

蓋がされていないと開渠(かいきょ)と呼ぶ。

わたしが小学生の頃は家の前にはどぶが流れていた。

生活排水の溝だ。

排泄物はバキュームカーがきて回収していた。

そのうち。

下水道が整備され、排泄物も含めた生活排水を担う機能を果たし始めた。

半世紀が経ち、劣化が進んだ。

日本中のあちこちで道路陥没が起こり始めた。

八潮の完全修復はまだまだ先らしい。

日本中の修復コストを想像するとぞっとする。

 

谷中に「へび道」というところがある。

文字通りくねくねと蛇行した道で、結構長い。

珍しい。

沿道にはちょっとおしゃれな飲食店、雑貨店などもある。

クルマも通れて、そこそこの幅がある。

元は小川だった。

 

東京の武蔵野台地の縁には無数の小川が流れていたはずだ。

東京ならではの、人工的にはつくれない、情緒豊かな街並みを形作っている。

おもしろい。