通る度に思う。

江戸川橋通りから早稲田大学正門まで伸びている道、

両歩道と中央分離帯に大きな木を植え、

人や動物の銅像も配置された「早大通り」、

クルマと人の通行量がすごく少ない、

なぜ、ここに、こんな立派な道を作ったのだろう。

 

早稲田大学の正門をはいる。

右に大隈講堂がある。

その大隈講堂に向いて校舎が並び、

メディアによく登場する大隈重信像も建っている。

大隈重信はちょっと怖そうなおじいさんという感じ。

早稲田の人たちにとっては、とても大事な場所だろう。

 

朝倉文夫という人がこの大隈重信像をつくった。

彼の代表作は、諸々の猫の像だ。

すました猫は一匹もいない。

首を人の手につままれて神妙にしていたり、

伸びをしていたり、

すべて、動き、表情がある。

観る者になにやら訴えかけ感情を刺激してくる。

銅像という感じがしない。

あと。老人が静かに立っている「墓守」という像もいい。

黙って何かを伝えてきている。

 

東洋のロダン。

朝倉文夫はそう呼ばれている。

なるほど。わたしのような素人もうなずいてしまう。

眼鏡をかけている。

わたしのカミさんの爺さんがつくった眼鏡を。

似合っている。フワッとした感じが伝わってくる。

これもいい出来だ。