隠退し、あちこち歩きまわる毎日を送っている。
マクドナルドでよく休む。
120円のコーヒーを飲む。
おいしい。値段が3倍以上のカフェチェーンのコーヒーとそん色ない。
たまに140円のアップルパイも食べる。
制服を着たおばあちゃん店員がテーブルの上を拭いてくれる。
もくもくとゴミ箱を入れ替え、床掃除をする。
ときどきレジカウンターに立って対面接客、決済をしている。
70代80代のおばあちゃんがてきぱきと接客している。
マックほど、
おばあちゃん、おじいちゃんが〝見事〟に働いている職場はないのでは。
とともに、
マックほど、
人の、くらしぶりの、リアルな様が観察できるところはないのでは。
ここは、広域から人が集まる東京ドームシテイ脇のマック。
場所柄、いろいろな人が立ち寄る。
ドームで行われる催事ごとに、〝人種〟が違う。たとえば、
平成に活躍したロックシンガーだったら比較的若く化粧をした黒ずくめの人たち、
旧ジャニーズだったら比較的体格のよいダボッとした服を着たおばちゃんたち、
ジャイアンツ戦だったらユニフォームを来たファミリーや中年カップルたち。
催事がないときは、時間によって客層が変化する。
午前はサラリーマン、午後は学生が多い。
高齢者は朝から晩までよく利用している。
いろいろな人を観察するにはもってこいの場所といえる。
レジは対面だけで、最近増えたセルフがない。
ここは職域の端でうしろに住宅地を背負った白山通り沿いのマック。
東京ドームの店より、近辺の生活者の方々が多い。
母親と小さな子供がいる。
近所のおじいちゃんたちが集まっている。
午後は、学校帰りの中高生のたまり場になったりもしている。
あるときは、若い人や、作業現場で働く人だろうか、
トイレだけ利用して出ていく。
つまり公衆トイレとしても機能している。
そんな利用のされ方を、ぜんぶわかっているのだろう、マツクは。
ここは、セルフレジだけだ。
奥に接客カウンターもあるが、
ほとんどの利用者がセルフレジを使っている。
マックは、店、という立地によって、顔が違っている。
それだけそこのくらしぶりに密着していることだろう。
おじいちゃん、おばあちゃんにとって、
立寄る場所であるとともに、働く場所にもなっている。
立派立派、拍手拍手。