新宿区牛込にウチの墓がある。
散歩がてらによく行く。
理事長が逮捕された東京女子医大がすぐ近くにある。
体制と意思決定のしくみを一新させないと変われないだろう。
その隣に、タワーマンションが聳えている。
「河田町ガーデン」という。
東京女子医大同様、会社をつくり変えないと存続できない事態となった
フジテレビの跡地だ。
お台場のユニークな形の本社に移るまでフジテレビはここにあった。
同社がいま払しょくしなければならないバブルの時代の体質は、
この場所で培われた。
視点もつ 外の関与者 内の機能
組織が、
なぜ、そういうことになったのか。
なぜ、なぜ、なぜ。
ということは、どんなことをしていかなくてはならないのか。
ということは、ということは、ということは。
を考え、実行するための、基本的な視点がある。
外と内の視点でみる。
外の視点は、市場の関与者構造でみる。
内の視点は、経営・マーケティング機能でみる。
外の市場の関与者構造は次のとおり。
自分たちの全コストを最終的に負担してくれている一番大事な「消費者」。
その全コストの負担者に直接接している「消費者接点」。
そのお客さま接点と自社の間に介在する「中間者」。
そして「自社」。
以上の四者に大きな影響を及ぼしている「影響者」。
そのうえで、自社に原材料を提供しくれている「調達先」。
自社と競合している「競合先」。
さらに、それらがいる場には、背景として、
「政治」「経済」「社会」「技術」
の与件がある。
内の経営・マーケティング機能は次のとおり。
「研究開発」「生産調達」「商品政策」「コミュニケーション」
「チャネル政策」「営業」「ロジスティクス」
「人事総務」「経営管理」。
そのなかの、外の市場と交渉する役割の「営業」
の視点はさらに4つに分けられる。
「人脈づくり」
「会社力」
「非価格の課題解決」
「価格・コストの課題解決」。
これらは、業種・業界、事業規模、展開地域などにより差がある。
が、共通するのは、
それぞれの機能はつながり、関連しあっていることと、
すべてが、かけた全コストを最終的にすべて負担している「消費者」に
行き着くことだ。
今回のフジテレビの一件でとくに作用したのは、
外見では、
外の市場の関与者のなかの「影響者」(スポンサー、株主)、「調達先」(有力タレント)
内の経営・マーケティング機能の「営業」の「人脈づくり」
ということになる。
しかし。
女子アナがホテルのスイートルームになぜ身を運んだのか。
もの言う株主や大手スポンサーたちはなぜ動いたのか。
それぞれの全コストを最終的にすべて負担している
「消費者」の好意・購買・満足を、
過敏に意識したからにほかならない。
真の支配者、権力者は「消費者」ということになる。
ものごとを考える際の起点には、
「消費者」および消費者に直接接する〝現場〟「消費者接点」を
まず、おかなくてはならない。
影響者でも、調達先でも、ない。