ひと言話すと笑う。相手が。みんなが。
日本人の対話、会話は、調和の笑いだ。
外国のドラマや、街にあふれる外国人観光客を、みていても、
そんなコミュニケーションはあまりみられない。
もっとクール、個人主義だ。
内外の先進的な人からすればダメ日本の象徴として取り上げられる事象だが。
よくいわれることだが、やっぱり日本人の特長は「和」なんだろう。
調和、平和、の和。
日本人の遺伝子には「和」が組み込まれている。
たぶん。地球で唯一の。奇跡として。
東京を徘徊し、たちどまる度に、そう思う。
よく御茶ノ水あたりを歩く。
神田川の聖橋脇の湯島聖堂をよく通る。
神田明神の南隣だ。
上野不忍池のそばにあった林羅山の私塾を、徳川綱吉が、この地に持ってきたのがはじまり。
神田秋葉原から昌平坂をのぼったところにあるので昌平坂学問所と呼ばれた。
日本の学問の起点で、孔子の儒教の教科書「論語」を学ぶところだった。
孔子とその弟子たちが祀られている。なので「聖堂」と呼ばれた。
正月、神田明神の隣なのにこの人出。
日本の学問の聖地にしては、地味だ。
これが孔子。
外には世界最大の孔子像もある。
最初に掲出したスケッチがそれ。
倭の国は 和して同ぜず 奇跡ゆけ
「和して同ぜず」
「君君たれ」
「之を知る者は之を好む者に如かず」
「義を見てせざるは勇無きなり」
わたしが好きな孔子のことばを挙げてみた。
日本は、大陸から「倭」「大和」と呼ばれ、自認してきた。
孔子の言う「和」が、
外からの脅威が及びにくい海に囲まれた恵まれた特殊な地形が作用して、
遺伝子として組み込まれてしまった、
奇跡の国なのだ。
迷うことはない。
世界から何といわれようとで、唯一、調和、平和のために戦い抜く国であればいい。
これからは「和」だけでなく「同ぜず」をもっと強めればよい。