わたしが生まれた浜松の家にも、

じいさん、ばあさんの家にも、

ともだちの家にも、

振り子時計があった。

いまは、なかなか見られない。

 

ゆっくりと 干支を刻んで 40年

 

新宿NSビルに行ってきた。

40年前に出来たビルだ。

ビルの真ん中が吹き抜けになっていて、

そこにびっくりするほど大きな時計が設置されている。

「ユックリズム振り子時計」という。

高さ29m、文字板の直径7.2m。

世界最大の振り子時計でギネスブックにも掲載されている。

巨大な振り子がゆっくりと振られ、

時計の針が、干支が描かれた文字盤の上を、一日かけて一周する。

デザインは富谷龍一さん、製作はSEIKOさんだ。

 

 

振り子時計というと、

縦長の木箱の中に、上部に時計、下部に振り子、

といった姿をイメージするが、

この振り子時計は、外枠がなくて、

中身の文字盤と振り子と機械仕掛けがむき出しになっている。

もしかすると、このNSビル自体が外枠を意味しているのか。

40年前の作だが、いまみても十分に斬新だ。

芸術って時間とか時代は関係ないものなんだろう。