住宅地の平日の午前のマックには、じいさんがいる。

じいさんが過ごすところになっている。

 

本を読む、

競馬新聞を隅から隅までながめる、

右手の人差し指で左手に持つスマホの画面を突っつく。

 

溜息にも似た息を度々漏らす、

ときには独り言が混じる、

歯の間に挟まった食べかすを吸い込もうと、シーシーと音を立てる。

 

ひとりで過ごす人もいれば、

集まって誰かの話や過去の経歴を披露しあう人たちもいる。

 

じいさんは 平日午前 マックいく

 

 

平日の住宅地のマックは、

午後は、学校帰りの高校生や子供連れた母親たちで騒がしくなる。

なので、じいさんたちは、午前にマックにゆく。

 

ここは、わたしがよくいくマックのひとつ。

近所の誰それの情報、自分の健康管理方法、過去の武勇伝...

などで話は尽きない。

みんな落ち着いている、安心した顔をしている、なぐさめあっている。

わたしは、人を観察する仕事をしてきたのだが、

そこから隠退し、毎日15000歩あるくようになって、

ようやく人のほんとうの姿がわかってきた。

実体が見えてくると、面白くてしょうがない。