2024年4月2日火曜日。晴れ。

健康と節約の生活を楽しむ「千円道楽」の3回目。

桜の名所巡りをつづける。

きのうはソメイヨシノが生まれた「染井」、きょうは「谷中」。同じ霊園。

桜といえば上野公園が有名だが、あえてその隣の「谷中」を歩く。

 

上野より 谷中でゆたり 桜みて

 

本郷から言問通りをまっすぐ東へ。根津を経て、

谷中の名所「吉田屋酒店」を左に曲がる。

「愛玉子」と書いて「オーギョーチイ」と読む台湾デザートの店を過ぎる。

湯島に生まれたかみさんの影響で1980年代からこのあたりをよく歩いているが、

この店はまったく変わっていない。

「愛玉子」とは寒天ゼリーのこと。

やがて左に「花重」が出てくる。

「花重」は明治時代初期に開園した谷中墓地とともに開業した花問屋。

このあたりは江戸、明治、大正、昭和の旧跡がいっぱいだが、

ここもそのうちのひとつといえるだろう。

「花重」から先は「谷中墓地」だ。

桜並木のトンネルが続いている。

ただし、まだ二分咲きぐらい。

人は多くなく、ゆったり、穏やかに、歩ける。

気がやすらぐ。

きのうも触れたが、霊園は、いい。

連日放送されている、隣の「上野公園」の人混みより、

さくらを愉しむなら、こちらのほうがずっとよい。

 

谷中は風情に満ちている。

桜の花見以上に、すごく楽しめる。

おすすめだ。

 

わたしのような60代は、

谷中と言うと、「寺内貫太郎一家」の印象がある。

向田邦子の実家の石屋と近所の面々の面白生活を描いた傑作ドラマだ。

谷中には石屋や花屋がたくさんあるが、たしか「石貫」だ。石屋の名前は。

ネットをみると、この店がモデルだろうと推定が出てくる。

 

池波正太郎を読んでいる人にとっては、

「鬼平犯科帳」や「剣客商売」の舞台として、このあたりを楽しめるだろう。

谷中墓地のまえの一帯は「茶屋町」という色町だった。

 

谷中。ぜったいおすすめだ。