2023年11月29日。

紅葉が見ごろだろうと、江戸川公園に行ってきた。

江戸川公園とは、

文京区の関口台地の南斜面の神田川沿いに広がる東西に細長い公園。

神田上水取り入れ口に使用されていた大きな堰の跡地のため、

その材料となった石が多用され、

台地の斜面にあるため樹木も豊富で、

桜の名所の一つであり、藤棚もある。

このあたりの神田川は、江戸時代には御留川(おとめがわ)と呼ばれ、

その後は江戸川と呼ばれていたため、「江戸川公園」の名がついている。

 

関口に スパイ芭蕉の おもて顔

京都より 江戸川公園 秋浸る

 

この地には、松尾芭蕉が住み、

公園の一角には彼が暮らした「芭蕉庵」もある。

「古池や 蛙飛び込む 水の音」

以前も触れたが、この句も、ここで生まれている。

松尾芭蕉といえば、俳句であり、

東北・北陸を巡った大著「奥の細道」だが、

実は芭蕉は、地方を探る、幕府の密偵(スパイ)だったのではないか

という説もある。

そもそも、芭蕉は忍者の里伊賀の出身だ。

歴史ミステリーのひとつとして興味が湧く。

 

神田川沿いに細長くこの公園は、見どころが多い。

この神田川から水をとっていた堰の跡も珍しい。

それから、ローマ遺跡の水道跡を彷彿とさせる石橋も、象徴的だ。

関口台地の斜面側には、芭蕉庵だけでなく、

この椿山荘の塀がつづく。

まるで京都の風景だ。ここは東京なのだが。

さらに、細川庭園もある。

紅葉がきれいだ。

庭はよく整備されている。

 

混み合う京都で人にもまれヘトヘトになるよりも、

この地あたりをゆっくり散策するほうが秋に浸れる。