2023年11月18日。晴れ。

秋が深まり朝は寒い。

新宿の戸山団地に行ってきた。

 

新宿で ひっそり進む 戸山時間

 

戦後。占領軍の提案でここに住宅が建てられた。

以来、戸山団地は、昭和、平成、令和を経てきた。

住宅は、戸建てから4-5階程度のエレベーターのない集合住宅に変わり、

やがて一部は10階以上の高い建物に変わっていった。

いま、ここに住む人々は、6割以上が高齢者らしい。

 

ここが戸山団地の南側の入口。

広く「戸山公園」といわれる地域の一部だ。

12階の集合住宅が何棟か建っている。

1階の商店街はほとんどがシャッターが閉じられている。

もとは、食料品、酒類、金物、家電、衣料品、などの店が並んでいたのだろう。

いま開いているのは、日配食品を売る「ヤマザキ」の店だけだ。

見ていると時折住民がはいっていく。

それにしても静かだ。というか、ひっそりとしている。

人をあまり見かけない。

教会が見えてきた。戸山教会。

占領軍司令官マッカーサーの提案で建てられたとか。

この地は、団地になる前は、陸軍の施設で、

毒ガス・細菌兵器などを扱う悪名高い731部隊がいたらしい。

いまでも、射撃場などの遺構が残っているそうだ。

戸山教会の脇に、「登山道」がある。「箱根山」へとつづいている。

戸山団地の箱根山は、東京23区で標高が最も近い山だ。

自然の山の23区最高峰は港区の愛宕山で、

ここは陸軍がつくった人工の山のようだ。

「山頂」へとつづく道にとりつく。

山頂からまわりの景色を眺める...。

樹木でほとんどみえない。

「箱根山」を降りて団地を歩く。

各戸は結構埋まっていて、洗濯物がきれいに干されている。

こう言っては失礼かもしれないが、

静かに、整然と、ゆったりとした時間が流れている。

高齢者は多いが、若い人もいる。

 

ただ、新宿という都心、まわりの街々を考えると、

異空間であることはたしかだ。