2023年10月28日土曜日。
午前8時。きのうよりすこし寒い。
ノースフェースの薄いウインドブレーカーをはおり、皇居を、一周してきた。
きょうは、まず、駄句を三つ。
ランナーで 埋まる休日 皇居縁(べり)
三権を 思う皇居の 一周路
一番町 連れてる犬も ちと違う
本郷の我が家を出て、水道橋を経て九段下で皇居内堀に着く。
そこから千鳥ヶ淵にはいった。
暑い。千鳥ヶ淵りはじまりでノースフェースを脱いだ。
千鳥ヶ淵の沿道はいつ来てもゆったりとした気分になれる。
右手にインド大使館、千鳥ヶ淵戦没者霊園を見ながら、
一番町につきあたるところまでまですすむ。
静かだ。人通りも少ない。
ときどき犬を連れた人、ランナーとすれ違う。
ちょっとびつくりなのは、
この短い間に「トイ」ではない大きなプードルを連れたご婦人に3度出会った。
どこでもいちばん見ることになるトイプードルには一度も出会っていない。
一番町ともなると飼っているペットもちょっと違うようだ。
この一番町とお堀の間の道「都道401号」沿いになると、ランナーが急に増える。
土曜日だからだろう。ランナーは途切れない。
ランナーはみんな左まわりで左側通行だ。誰かがそう決めたのだろうか。
なので、歩くわたしは、ずっと後方から追い越され続ける。
なかには息遣いの荒い走者もいて、けつこう気が気でない。
度々、地響きをたてた集団走者にも追い越されてゆく。
きっと遠くからも来ているのだろう。
右に英国大使館が出てくる。
カッコいい。いつ見ても。
左手に半蔵門が出てくる。
その、地味さ、小ささが、いかにも忍びの門という感じでイイ。
ここから西へ甲州街道が一直線に伸びている。
そう。徳川のスパイたちは、
関ヶ原でおもに敵についた西日本のサムライたちを監視しに出かけるのだ。
だぶん。
やがて右手に、国立劇場と、その向こうに、最高裁判所が見えてくる。
最高裁判所の向こうは、国会議事堂だ。
最高裁判所も、国会議事堂も、石でできている。
ピカ現場だ。
わたしのマーケテイングの仕事は、
建設会社と自動車会社のお手伝いからはしまったのだが、
建設会社のお手伝いのとき、「ピカ現場」をおぼえた。
もっとも高価な現場だ。
ここからは見えていないが、国会議事堂の向こうには首相官邸がある。
最近、岸田さん、「減税めがね」などと陰口をたたかれ、悲哀の日々のようにも見えるが、
きょうは何をしているのだろう。
この首相官邸も、石をふんだんに使っている。
そうなのだ。
立法権の国会、司法権の最高裁判所、行政権の内閣首相官邸の「三権」の建物は、
みんな石づくりの「ピカ現場」なのだ。
さらに進むと、
警視庁・警察庁、検察庁、地方・高等裁判所、法務省関連施設といった司法権の「村」が
右手にみえてくる。
この司法権の建物たちが霞が関で最大のスペースをとっている。
皇居一周は、たくさんのランナーたちと出会うとともに、
国の根幹である「三権」についてあらためて思いが向く行路となった。
やがて、左手に二重橋を見、
大手門に出会い、
右手の正面に東京駅を眺め、
午前中の皇居一周ツアーは終わった。
2時間半程度だった。
けつこう刺激的だったせいか、疲れはない。
こんどは、ランナーがすくないであろう平日に一周しよう。










