2023年10月6日。秋晴れの日。蔵前に行ってきた。

蔵前の帰りに「鳥越おかず横丁」と「佐竹商店街」に立ち寄った。

いずれも都心下町商店街としてよく知られている。

 

囲まれて 鳥越佐竹 マンションに

 

「鳥越おかず横丁」も、「佐竹商店街」も、

郊外でも、地方でもない、

まわりは中小企業、オフィスビル、マンションでいっぱいだ。

なのに、ふたつの商店街は、さびれてしまっている。

 

これが「鳥越おかず横丁」。

午後3時過ぎ。歩く人は少ない。

ほとんどの店がシャッターを閉めてしまっている。

開いている店だけみてみよう。

まず、商店街入口で年代物の看板を掲げた酒屋さん。

味噌と味噌漬けの店。旨そうだ。

奥のテレビ画面まで見える佃煮屋さん。懐かしい風景。

「大佐和」。茶葉の店。同名の店が文京区湯島にもあったが、暖簾分けだろうか。

「おかず横丁」とは、その名のとおり、

食料品店とくにそのままおかずになる店がずらりと揃った商店街だったはずだ。

が、このとき開いていたのは、いま紹介した店ぐらいで、あとはすべてシャッターを閉めている。

食料品以外の薬局や日用品の店もあるが、それも開いているのは数店にとどまる。

 

「鳥越おかず横丁」のすぐ近く、北東、ちょっと上野寄りのところには、

これも比較的知られている下町商店街のひとつ「佐竹商店街」がある。ここは屋根付きだ。

ここも、見ての通り、ほとんどの店がシャッターを閉めている。

いくつかの店は開いている。

たとえば、日用雑貨の店、人形焼きの店、居酒屋...。

仏壇仏具の店。

そして、南アジアの飲食店、などだ。

 

最初に記したように、ふたつの商店街のまわりには、

中小企業、オフィスビル、マンションが、密集している。

つまり、商圏には人はたくさんいるのだ。

なのに、なぜ、シャッター商店街になってしまっているのか。

その理由は、単純に考えると、こうなる。

ふるくから住んでいる近所の戸建てのおじちゃんおばちゃんを相手にし続けて、

オフィスビル、マンションの比較的新しい住人たちに来てもらっていないから。

たとえば、いま都内都心部でどんどん増えている、

激安八百屋店、

肉や餃子やラーメンなどの冷凍食品無人販売店、

コインランドリー、

中国、南アジアなどの飲食店、

があまりない。

一言で言えば、時代にあわせた新陳代謝ができていないのだ。

ふるいお店を閉じる必要はまったくない。開けたまま、

閉じた店に、いま都心で伸びているお客さま接点をどんどん入れていけばいい。

 

この「たちどまるけーすけ」ブログでちょっとまえに紹介した、

根津の昭和レトロ商店街は、

若い人向けのファッションの店、イタリアンや、中国、南アジアなどの飲食店、

を入れることでその顔を変化させ、生き残ろうとしている。

おまけに、鷲、猫のいる街、というお客さまが遠くから集まりそうなアイドルも作り上げようとしている。

公募サイトで、猫をテーマとした根津の川柳を募集している。わたしも応募するつもりだ。

 

がんばれ、鳥越、佐竹の商店街。