7月20日。曇りがちの木曜日。きょうは半蔵門まで歩いた。
一昨日の千鳥ヶ淵歩きのつづきでもある。この日はその後半の模様だ。
さきにいつもの駄句を三つ。
一番町 ユニオンジャック はためく地
小さき門 いかにも半蔵 通り道
梅雨明けは 気象庁より 蝉の声
ここが、その後半、千鳥ヶ淵南側のはじまり。
右に見えるのは皇居沿いの内堀通り、
写真では見えないが、右に曲がる角があり、四ッ谷方面に抜ける番町中央通りになっている。
遊歩道はこれ。
北側と比べると広いが整備された公園のようで千鳥ヶ淵を感じさせてくれる趣に欠けるようにも思う。
そこから見える千鳥ヶ淵はこれ。これもまた北側と比べるとやや味気ない。深く広いお濠だ。
そこで、内堀通りを挟んで西側に目を向けると。
ユニオンジャツクはためく英国大使館ではないか。
真っ先に「女王陛下の007」を連想してしまうわたしの感性は貧困なのか。
この英国大使館、東京にある大使館のなかではもっとも旧いもののひとつではないだろうか。
江戸時代後期、幕府に対し交易をもとめてきた最初の国が当時の世界の最先進国英国だったはずだ。
以来、高杉晋作の英国焼き討ち事件なども挟みながら、
ウィキペディアによると、高輪、品川、横浜、三田を経て、
明治維新後、解体された大名や旗本の敷地を与えられて、現在の地、
千代田区一番町一番地という日本の最一等地に、至っているようだ。
そして、半蔵門にたどり着く。東京駅側の大手門の真反対に位置する。
守るため門は小さく作られているとはいえ、この半蔵門はとくに小さく感じる。
服部半蔵と彼が率いる伊賀者たちがこのすぐ脇に住んだため、その名前がついたようだ。
忍者たちがとくに使った門と想像すると、とくに小さな門が、なんとなく納得いく。
半蔵門をみて、真後ろに振り向くと、そこから甲州街道がまっすぐ西へと向かっている。
わたしは、30年以上前、すぐ近くの麹町に通っていたので、この景色は馴染みがある。
30年以上前からあった建物、なかった建物をざっと見てみる。
半蔵門の真ん前、手前にFM東京、その向こうがワコール。ここは30年以上前と変わっていない。
なにか、うれしい。
ここは、きんつばの一元屋。ここも以前のままだ。
ここのきんつばは、甘さ控えめな上品なお味、いくつでも食べられる。
ひとつ160円。価格ももとめやすい。いい。
ここは、友心院。真言宗系のお寺だ。30年前は無かったのでは...。
ここは、ダイヤモンドホテル。当時も古い建物だったが、いまも古い。
まとめていうと、半蔵門は、30年以上前の建物が比較的残っている感じだ。
おまけをひとつ。
写真中央の木の枝の下側にミンミン蝉がいる。
本郷よりも東京の中心千鳥ヶ淵のほうが蝉がたくさん鳴いていた。
東京は中心に皇居があり、公園も多く、そのために、
東京で蝉の鳴き声を聞こうとしたら、東京中心部の高層ビル街を抜けて皇居周辺にくるのが近道なのだ。
毎年思う。蝉は、梅雨明けがわかるのだろうか。
いつも梅雨明け時に一斉に鳴きだす。
気象庁が梅雨明け宣言していなくても鳴きだす。
近年、温暖化の影響で梅雨明け宣言タイミングが難しくなってきているようだが、
もしかしたら、市井のわれわれは、「身近な超能力者」蝉、のほうを信じたほうがよいのかもしれない。









