7月7日。梅雨の晴れ間。

我が家から南西方向に歩いて45分。ひさしぶりに北の丸公園に行った。

北の丸公園というと武道館が代表だが、

それよりもっと貴重なものがある。

「ひかりごけ」だ。この苔。ここにしか生えていない。国の天然記念物なのだ。

ふつうは洞窟の中などの湿っぽい、薄暗いところに生えるもののようだが、

ここでは、なんと、江戸城壁の石垣に自生しているという。

 

田安門からはいる。

北の丸公園のメインストリートと思っていたのだが、

人が歩いていない。

城の門はたいがい狭い。江戸城も例外ではない。

敵が攻めてきてもたやすくはいられないように、守りやすいように、つくられている。

しかも、小さな門のあと、90度曲がって、

石、金属、木でつくられた分厚い重厚な門が控えている。

この田安門は、遺構つまり江戸時代の状態のままの門で、重要文化財にもなっている。

 

そこを抜けると、玉ねぎを屋根に乗っけた武道館が、デンと居座っている。

きょうは七夕。

きょう7日とあす8日は松田聖子のコンサートが開催されるようだ。

恋人たちにとって大事な全国的イベント日の当日に、

まだ武道館で歌えるのだから、たいしたものだ。

 

建物がない南側に歩いてゆく。

草木が豊富。森のようだ。きちんと手入れもされている。

木陰の椅子では、来園者たちが涼をとっている。

??よく見ると、日本人でなく、外国人のファミリーだ。

東京は、どこに行っても外国人をたくさんみるようになった。

コロナ以前の状態には達していないとの報道だが、いない時を長く体験したせいか、

すごく多く感じる。

日本人もいる。

これは夫婦がシートを敷いてくつろいでいる様子。

この夫婦の先の木々の先は、北の丸の石垣なのだが、

「ひかり苔」たちはそこにいる。

 

ここで五七五。

草木満ち 真夏も涼し 北の丸

ひがりごけ ここなら自生可 北の丸

 

公園内には「ひかり苔」の所在に触れた案内は一切ない。

ネットで検索することで「このあたり」がわかる。

なんてったって、ここにしかない天然記念物だから、守らなければならないのだ。

なので、撮影はできなかったので、ネットにあった写真を貼っておく。これだ。

1200px- ...

これだ。と言っても、どれがどれやらわからない。

これならどうだ。こうやって光っている苔らしい。

実際に見たらさぞや幻想的な光景なんだろう。

ヒカリゴケ (Schistostega pennata)

 

北の丸という武道館を連想してしまうが、

実際にそり緑の中を歩いてみると、そんな建物たちよりも、

草木が豊富で、しかもきちんと保護されている様子に気づく。

植物のくわしい人からすれば常識としての事実なのだろうが...。

こんどは、ゆっくりと、草木を観察しに来よう。