JR中央線の神田駅とお茶の水駅のあいだに以前「万世橋」という駅があったのをご存じだろうか。

ウィキペディアでその歴史をみると、こんな説明がある。

はじめは、中央本線のターミナルにする目的で「万世橋」駅が建てられた。

初代の駅舎は現在の東京駅と同じ辰野金吾の設計で赤レンガ造りの豪華なものだった。

しかし、1919年、日露戦争で勝った日本軍の凱旋施設もかねて東京駅が建てられ、

併せて神田駅が出来、やがて東京駅と上野駅の間が結ばれ、秋葉原駅も出来、

万世橋駅の利用客は急減し、1943年に廃止となった。

 

かくて、いまは、駅だった名残をとどめるのみだ。

外観には、中央線の外壁として赤レンガの壁が残っている。こんな具合だ。

でも、この赤レンガは、明治から昭和の太平洋戦争までの東京前史とともに生きてきた。

東京を理解するうえで、ここは、あまり知られていないが、大事な場所のような気がする。

 

前史知る 万世橋の 赤レンガ

 

架橋の下には飲食店などがはいっている。

それから、地下に残る遺構をガラス越しにながめられるようになっていたり、

架橋の中にはいって、遺構の一部を見ることもできる。

おそらく、鉄道ファンにはたまらないものなのだろう。

万世橋自体も、明治・大正・昭和の歴史を感じさせる石塔が遺されている。

このときもは、若いおしゃれな服の男女が、これらの施設を背景に、さかんに写真を撮っていた。

 

あと、万世橋といえば、そのわきに建つ、上記写真でもそびえたっている

洋食レストラン「肉の万世」が象徴的だが、

近くの自販機コーナーでは、珍しいことに、肉の万世の看板商品のひとつ

「万カツサンド」の自販機も設置されていた。