御徒町の昭和通り沿いにふるくからある下町ディスカウンター「多慶屋」にたちどまる。

ここもまた、近くの湯島で出生したカミさん御用達だ。

家の家具はここで買った。愛用のモンブランの替え芯もここで買っている。

知り合いに、何度言っても「たけいや」と呼ぶ男がいたが、

多慶屋は「たけや」と読む。

 

らしくない? でもキレイ〇 シン・多慶屋

ムダ排除 流れに抗う 老舗DS

 

以前は。「キレイ」とは言い難かった。多慶屋は。

掃除はしてあっても、ゴチャゴチャしていて、何がどこにあるかわからなかった。

それが、変わった。「シン・多慶屋」に。

外見がおしゃれになっだけではない。

店内も、整然とした棚配置で、コーナーサインがきちんと付いた、売場になった。

小売の世の流れは、ムダ排除、効率、省力化、だ。

多慶屋もその流れに乗っかったのだろうと...よくみると、

いまや、スーパーでもなかなか見られなくなった、

大きな価値メツセージpop、デイスプレイで彩られた販促売場が、

まだ、しっかり生き残っていた。

 

1階最前面。在庫処分、現品限りだ。100円商品が並んでいる。デイスカウンターらしい。

でも、そのうしろには「おすすめのチョコレート集めました」と、

担当者が写真入りですすめるコーナーが目に飛び込む。

 

主通路沿いの棚エンドをゆくと、各エンドに価値メツセージPOPが掲出されており、

たとえば、菓子売場エンドのひとつには、

「糖質offアドバイザー推奨 隠れた糖質off菓子」がドーンと提案されている。

多慶屋オリジナル食品を提案するエンドもある。

たとえばこれは「多慶屋厳選日本茶」だ。

もちろん、いかにもディスカウンターらしく、

たとえば、「割れせん」199円が、どうだとばかりおしだされたエンドもある。

 

2階に上がると日用雑貨売場だが、ここも、価格とともに、

きちんとデイスプレイされたメーカー催事売場が設置されている。

 

多慶屋は、むかしから、ここ御徒町昭和通り沿いにある下町ディスカウンターだ。

すぐ近くにアメ横があり、刺激しあうことで、安売り競争を生き残ってきた。

小売のトレンドは、ムダ排除、効率、省力化だ。

むかしは常識だった、大きな価値メツセージpop、デイスプレイで彩られた販促売場、

もほとんど見なくなった。

でも、多慶屋は、整然とした売場に変えて、「効率」化の流れに対応もしつつも、

手間のかかる販促売場づくりは、捨ててはいない。