さあ、いよいよ、神田祭の「宮入」の本番だ。
「宮入」とは、日本橋・神田の各町々が神さまの魂が乗る神輿を担いで神田明神に来て、
お祓いをしてもらうことだ。
きのう5月13日夕方からはじまり、
きょう14日は、朝から、夕刻まで、すべての町々のお祓いが終了するまで、つづけられる。
興奮して駄句3つ。
見世物じゃ ない、そこに暮らす 人の幸
女に子 勤め人も担ぐ 神田祭
最大は 大手・丸の内 の担ぎ人
ちなみにカミさんは、湯島に生まれ、小さいころから担いでいたせいか、
ケーブルテレビの神田祭生中継を一日中観ている、いや観続けられる。
わたしも、この「宮入」を一日観て思う。
いつもメディアが大きく紹介している〝どこかの観光客と入れ墨者ばかりのショー祭〟とは違い、
各町々で働く地元の老若男女、日本橋・神田に増えつづけるマンションの入居者たち、
それから、女たち、子どもたち、
いちばんたくさんの担ぎ手を擁してやっている大手町・丸の内の勤め人軍団...、
そして、自由奔放でハロウィンを想起させる仮装行列...
まさに、身分も、性別も、取り払った、
そこで暮らすみんなの幸せを祈る祭りなんだ、神田祭は、と。
わたしとカミさんは、午前10時30分ごろ、家から歩いて20分の神田明神の境内にはいった。
境内は、半纏を着た担ぎ手たちと、見物客であふれていた。
でも、日本橋・神田中心に200基以上の神輿が集まる〝日本三大祭り〟にしては、
こじんまりしている。地味ともいえる。
そして、これが、神輿が本殿の前に到着し、宮司と巫女からお祓いされる場面だ。
実は、この本殿の前に神輿を据えるまでがたいへんだ。
神輿がなかなかまっすぐはいって本殿の前に据えられないのだ。
何度も何度もやり直す。
それとも、見た目には、担ぎ手たちが、一番のクライマックス場面で、
できるだけ長く神輿を担いでいたくて担ぎを長引かせているようにも見えてしまう。
地味でもいい。
見世物ではなく、そこで暮らす人たちの幸せを祈る神田祭よ、永遠なれ。

