きょうも、つづけている東南方向歩きを休んで、真東に行って見る。
上野公園。きのうふたたび歩いた東大の、東隣だ。
まず一句。
犬つれて きょうはどこまで 西郷さん
いまはもう 上野の西郷 仰ぎ見ず
ここには、人が集まる場所がいっぱいある。
東京国立博物館、国立西洋美術館、国立科学博物館、上野動物園、寛永寺、東照宮、
それから、高村光雲作のリラックスした格好で犬を連れている西郷隆盛の像、
そして、以前たちどまった不忍池、
などだ。
上野公園というと、わたしのような60代以上の人は、西郷隆盛像を思い浮かべるだろう。
先人を記念してつくられた銅像は構えてじっとしている姿ばかりだが、この像には動きを感じる。
作者は高村光雲ということだ。
和装の着流し姿で「愛犬ツン」を連れている西郷さんは親しみも感じさせる。
(実は兎狩りに出かけているところらしいが)
その西郷さんのすぐうしろに彰義隊の墓がある。
1968年。徳川を守る使命を帯びた彰義隊は、ここ上野の山の寛永寺に立てこもり、最後の抵抗をしたが、官軍に1日で敗れた。
この西郷さんと彰義隊は、上野の山の歴史を象徴するシンボルのようなもの、
と、われわれ60代は思ってしまうのだが...
この日、しばらく見ていたが、西郷さんの前に、たちどまって仰ぎ見た人はいなかった。
寂しい。
あと、上野公園というと、博物館・美術館群だ。
入口にロダンの「考える人」像などが立っている国立西洋美術館、
その隣で、大きな機関車D51やクジラが飾ってある国立科学博物館、
そして、大噴水の前の大きな大きな東京国立博物館、などだ。
これらの博物館や美術館は、その前で見ていると、日本国内の人たちだけでなく、
たくさんの外国人にも利用されているのがわかる。
それから、上野公園には2つの大きな神社・仏閣がある。
ひとつは、徳川家康などを祀る「上野東照宮」。
大きな石灯籠がずらりとならんでいる。
もうひとつは、徳川家の菩提寺である「上野寛永寺」。
前出の彰義隊が最後にこもった寺だ。
上野公園といえば、パンダがいる「上野動物園」も人気スポットだ。
この上野動物園も、しばらく見ていると、外国人もたくさん利用しているのがわかる。
さいごに、もうひとつ。
「正岡子規記念球場」がある。
日本に野球が入ってきた頃、正岡子規がこの球場で野球をしていたようだ。ポジションはキャッチャーで。
先日のWBCでも証明されたが、世界でトップクラスの実力をもつに至った日本野球は、正岡子規がけん引していたのだ。
そう思ってこの球場をみると何やらわくわくもしてくる。








